ラブレター②
父と母、二人の姉と祖母と僕の6人家族。
特別に厳しくされた記憶もあるし、
特別に甘やかされた記憶もある。
機械工学を教えていた父の研究室にはよく遊びにいっていた。
父が顧問をしていた熱気球部の合宿にも毎年参加していた。
この熱気球部というのが、今ならバズニュースもので、
バルーンからカゴまで手作りの4人乗り熱気球を飛ばす部活。
毎年冬休みに九州を縦断していた。
ロボコンを目指す部活の顧問もしていて、
NHKの大会で優勝したこともある。
卒業文集に書いている僕の夢が「ロボット博士」だったことを考えると、
父は憧れの人だった。
そういえば、三人乗りのホバークラフトも学生さんと手作りしていた。
近所の河川敷を走って、そのまま川を渡って、また河川敷を走る。
そんな経験はあれ以来していない。
学生さんとの飲み会にも連れて行ってもらった。
いつも僕と話すように、学生さんと話していた。
本当に先生という仕事が好きだったんだと思う。
そんな父は僕が中二の時に、喉のガンで声を失う。