今日の人生

益田ミリさんの「今日の人生」という本が好きです。
ゆる～いイラストで日々のカケラを描いた4コマエッセイ。
何でもない日にも、いろいろあった日にも
愛すべき人生のひとコマがあると気づかせてくれます。

たとえば、こんな今日の人生。

区の健康診断で病院へ
検査の合間は、ロビーで
サスペンスドラマを見ていたのですが
病院の先生が犯人だった今日の人生

はじめて電車の中で盲導犬を見ました
足下で小さく伏せている姿を
見ていると、わたしはこれほどまでに
誰かの役に立ったことはあるだろうかと
思った今日の人生

わたしの、わたしの人生に
降りかかってくる面倒なできごと
すべてを作品に昇華してみせる
と、あらためて思った今日の人生

…思わず吹き出したり
わかりすぎて、泣けてくることも。

4コマエッセイの合間には、
益田さんの数行のつぶやきが書かれています。

頭が良くなりたいと思うのは
誰かに言いくるめられたとき

生きている時間の方が長い
どんなに短い人生だったとしても
生きていた時間の方が長い

本質を突いた言葉は、心にぶっ刺さります。

言葉と向き合う仕事をしていると
言葉にならない感情にもがくこともあるけれど
そんな「名もなきモヤモヤ」をさらりと言葉にできる人は
もうリスペクトしかありません。

さて、自分のコラムで引用ばかりも何なので
ここ数日の「今日の人生」を書いてみたいと思います。

駅のホームで
コーンポタージュをぐいっと飲む高校生をみて、
コーン全部飲めたかな～と
気になってしまった今日の人生

同窓会の案内がきて
久々に大学時代のアルバムを開いたら
記憶が薄まりすぎて、前世みたいだと思った今日の人生

ショーウィンドーに
ニットやコートが並びはじめているのに
こうも残暑が続くと、そのうち秋がなくなっちゃう
かもしれない…と思った今日の人生

知識と知恵は違う、知識は情報で知恵は経験なんだ
そう飲み屋で熱く語っていたお客さんを
夫が「知識と知恵の人」と呼んでいた今日の人生

･･･またとりとめのないことを書いてしまいましたが
毎日生きていると何かしら書くことはあるものですね。

みなさんの「今日の人生」はいかがでしたか。