リレーコラムについて

今考えるとコピー鍛錬だったと思うこと②  〜戦評〜

中野仁嘉

弊社にはサッカー部がある。
小学生の頃からサッカーをしている自分は、
入社してすぐに同期と一緒に入部した。

体育会サッカー部や、元Jリーガーなど社員メンバーにも関わらずかなりレベルが高く、
東京都リーグに参加し毎週想像以上にハードに練習・試合を繰り返す真面目でストイックな部活動である。

 

今はあまり参加していないが、子供が生まれるでの数年間は毎日我孫子にあるグラウンドに通っていた。
とても良い思い出、今でも仕事やプライベートなどでも繋がれる良いコミュニティである。

 

当時サッカー部には、主将・主務・会計・出欠など係があり新人はもれなく何かを担当する。
そこで僕が任命されたのは、「戦評」という係であった。
これは、公式戦のスタメン・得点・アシストなど、いわゆる試合のマッチレポートを書くという係であった。
めちゃくちゃ楽そう!と最初は思ったが、単なるマッチレポートではなかった。

 

方針は、“早く、正しく、おもろく。

”最後のおもろく、が厄介である。

 

例えばとある得点シーン、普通だったら。

「今日久しぶりの先発を果たした左サイド深澤のセンタリングを、大石が長身を活かしたヘディングでゴール!」

となるが、このマッチレポートでは、

 

「試合に出ないと思い、世田谷から我孫子まで自慢の自転車で爆走してきたもはや自転車部兼サッカー部の深澤。
この日に限ってまさかの千代田線遅延により先発出場。
そんな深澤が開始五分にもかかわらず最後の力を振り絞りとんでもないナイスセンタリング!

そこに待っていたのは、大石。最近渋谷駅にいるとなぜか自分が待ち合わせ場所になるんですよね、
と話すほどの長身を誇るフォワードだ!
ジャンプした瞬間、周りを見渡したら建設中のスカイツリーしか見えなかったと話すほどの
打点の高いヘディングが決まりゴール!」

 

となる。

 

結婚したらとことん祝う。
寝坊してきた奴をとことんいじる。
彼女ができたらとことん妬む。

 

メンバーの人格や最近おきた出来事を交えながら、
上は役員から新入社員にいたるまで所属員全員に配慮したいい塩梅で毎週メールする。
めちゃくちゃしんどかったが、なにより書いている自分は楽しかった。

 

今考えるとこのマッチレポートは、
部署も階級も全く違う社員たちがコミュニティの絆を強め、
毎週土日という貴重な時間をサッカー部にコミットする、
パーパスだったのではないかと思う。

 

 

 

いや、やっぱり違います。

そんな崇高なものでは絶対ないです。

NO
年月日
名前
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