リレーコラムについて

初潮と友情

石本香緒理

正樂地さんからバトンをいただきました、

博報堂の石本香緒理です。

 

正樂地さんと出会ったのは、二人が名古屋にいたとき(8年前くらいか)。

見知らぬ土地で不安だらけの私にやさしくしてくれて、とても心強かった。

正樂地さんからバトンをもらうと、なんか「良い気」がみなぎる!

1週間走りきれそう!

 

そんな1日目は、「初潮と友情」。

 

小学校高学年からやたらと増える宿泊系の行事。

臨海学校、林間学校、修学旅行、スキー合宿…。

嫌で嫌で仕方がなかった。

もちろん、親に「休む」とか言う勇気もなく、

休みたい理由を言えるわけもなく、

参加するしかなかったのですが。

 

何が嫌かというと、お風呂の時間。

田舎の小さな学校だったので、

2回転くらいでみんなお風呂に入れちゃうのに、

最後に別立てで入るグループがあったんですよね。

それが生理になっている子たち。

 

仲良しグループでは、私だけ、まだ初潮が来ていない。

まずい…。またあの時間が始まる。

つらい。嫌だ。

 

お風呂の時間の直前、

たいていこんな会話が繰り広げられる。

仲良しA子「私、来とんじゃよなー。お風呂、後じゃわ。」

仲良しB子「えー、そうなんじゃ、大変じゃな。」

私「…」

仲良しA子「お腹痛えし、マジ最悪。」

仲良しC子「私、ナプキン持ってきとるけぇ、足りんくなったら言ってぇよ。」

仲良しA子「ありがとう!」

私「…」

 

Oh!一瞬たりとも入り込めない!

 

別グループD子「私も、なっとんじゃけどー。」

仲良しA子「そうなんじゃー!お風呂いっしょに行こー。」

SE:キャハキャハ

 

Oh!いつもは話しもしないのに、生理という共通点で強くつながっている!

 

お風呂に向かう、仲良しB子とC子と私。

心なしか、私は、一歩後ろを歩く。

いつも通り、いつも通り、と自分に言い聞かせる。

私「A子も大変じゃよなー。」

仲良しB子、C子「う、うん。」

 

Oh!何だかそっけない気がする…!

「う、うん。」=「初潮来てない人には、大変とか分かんないんじゃない?」

ってことですよね?そうですよね?私の勘違いですか?

あ、正解ですか…。

 

いつもは何でも言いたいこと言い合って、

ギャハギャハしている私たちの友情は、

初潮が来ているか来ていないか、の一点で

ぶった切られるのだ。

 

持っている文房具が被るとか、好きな男子が被るとか、

「同じ」であることをあんなに嫌う一方で、

「同じ」であることによってこんなに結束する現実。

 

生理とか自分ではどうしようもないことは置いておいて、

できるだけ「同じ」であることと、「同じ」でないことを

上手に使い分けながら、友達と楽しくやっていく。

 

そういうの嫌いじゃないけど。

いま思えば本当にどうでもいいことが、

あの頃は世界のすべてだった。

 

いまは、もちろん、自分は自分、と思っている。

だけど、ある特定の部分では、全くそうは思えないでいる。

うーん。

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