リレーコラムについて

秘密組織の話。

早坂尚樹

僕は、ある秘密組織に入っている。
でも、大丈夫。怪しい壺も売りつけないし、世界征服も考えていない。精神的にも、もちろん問題はない(今のところ)

その秘密組織の名は、メンサ(MENSA)という。
「あぁ、あの都市伝説の!」
そう思ったあなたが思い浮かべたのは、フリーメイソンではないだろうか。残念ながら、それではない。

知らない方も多いと思うが、メンサとは、IQ148以上が入会できる国際組織、
テレビとかで紹介される、いわゆる高IQ団体だ。
有名人では、茂木健一郎さんや、ロザンの宇治原さん、海外では、ジョディフォスターさんや、
アーサー・C・クラークさん、などが会員だとされている。

「じゃ、ルービックキューブとか得意なの?」
残念ながら、完成させたことすらない。

「カジノで、カードカウンティングとかできるの?」
映画レインマンのようには、いかない。

「金田一少年はIQ180だったよね」
漫画とは比べないでほしい。

…そう、実は特段何もできない。出オチもいいところである。

IQといえば、たとえば
6、60、210、504、?、1716
と並んだ数字を見た時に?に入る数字が分かるなど、規則性や法則を見つけるのが得意。
とされているが、実際には、月曜と火曜の定食から、水曜の定食メニューを推測するくらいにしか役に立たない。

そもそもメンサ自体の認知度が高くないため、人に話すと、何それ?となることが多い。
そこから、実はこういう団体がありまして…と自分で言うときほど、ツラいものはない。

その一方で、知っている人が聞くと、面白がってくれることも多いので、
会社に入ってからは、キャラ付けのために、時々話している。
はじめて会った人にも、「あぁ、あのメンサの子ね。」と覚えてもらえるので、とてもありがたい。
そして、「メンサとか言ってたわりに、大したことないよね」と、陰口を言われているのだ(被害妄想)

では、会員として、実際、どんな活動をしているのだろうか。
…実は、何もしていない。

メンサの活動は、基本的には、総会や、定期的な会合、
その他には、世界中の会員と交流したり、クイズ番組の監修をしたりするなど、いたって普通の団体と同じものだ。
サークルなどと同じで、自分から積極的に参加しなければすぐに幽霊会員になってしまうのだ。

そもそも、設立の背景が、とある科学者の妹の、
結婚相手を探すためだったとも言われているぐらいなので、基本的には、出会いの場なのである。

会員の内訳は、さまざまで、医者、弁護士、実業家の方なども多いが、フリーターの方も多い。その中には、とりあえず入ってみたが、特に活動はしていない、
僕と同じ、なんちゃって会員も多数いるのだ。

…とまぁ、秘密組織と煽っておきつつ、もはや秘密のない組織なのだが、

僕は、これからも、メンサをやめることはないし、
年会費も、払い続けるだろう。

肩書きなんかには、頼りたくない。という考え方もあるが、むしろ、肩書きにすがっていくつもりだ。

そして、できれば、これからは、東京コピーライターズクラブ会員の肩書きに、
全力で、すがっていきたい。

プロフィールシートには、東京コピーライターズクラブ会員、メンサ会員、Tポイント会員。と胸を張って書いていこうと思う。

 

ところで、ここまで、コラムを読んだ方は、お気づきだろうか。

実は、この文章の中には、ある秘密が隠されていることを。

それは、分かっていても、抗うことのできない、ある秘密の法則。

 

見切り発車して、長々話すと、
オチが、なくなるのだ。

 

…。

 

というわけで、まだまだ実力不足で、肩書きにすがるしかなさそうな僕は、
東京コピーライターズクラブの、
益々の発展を心よりお祈り申し上げます。

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