職場怪談② ~招かざるコピー~
これは私の上司から
聞いた話なんですが、
あなたも体験するかもしれません。
残暑厳しい9月のある日、
別件が押した彼は、クライアントのロビーに
約束の時間ギリギリで到着したそうです。
「企画書、大丈夫か」
うなずく後輩と
速足で会議室へ向かうと
もうクライアントは揃っていて雑談中。
汗を拭きながら
コピーを説明しはじめました。
提案は順調に進み、
セレクトしたコピーは
これで最後のはずだけど…
やだなぁ~
こわいなぁ~
なんだろうなぁ~
まだ数ページ残っていたんです。
恐る恐るページをめくると
そこには見たこともないコピーが…
冷汗がファーッと吹き出してきた。
横を見ると後輩が
まっすぐこっちを見つめ
声に出さず口を動かしている。
タ・シ・ト・キ・マ・シ・タ
勘弁してくれよぉ~
その後輩は
ワ・タ・シ・デ・ス
ごめんなさい
ごめんなさい
その後、上司のチェックは念入りになり、
妖怪タシトキマシタは絶滅してしまいましたが、
数年後、上司にコピーのバリエーションをお願いする
妖怪タシテクダサイが出没するようになったとか。
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