リレーコラムについて

自虐について

関陽子

名前の字面は似ているけれど

似たコピーを書きたくても書けないほど素晴らしい先輩の

門田陽さんからバトンを受け取りました。

関陽子と申します。

ビールとカレーとサウナとアイドルが好きです。

 

先日、ありがたいことに

TCC賞の一次審査を担当させていただきました。

一本のコピーを世の中に出すこと自体、恐ろしくエネルギーの必要なことで

様々な事情や軋轢に揉まれてなお

心に届く純度を失わないコピーがたくさんあり、

審査と言いつつ、こちらの背筋が正される時間です。

その中で、なぜか今年(たまたま担当した応募カテゴリーの傾向だったのかも)

小さなブランドや、娯楽施設や、イベントなどの

作品で「自虐コピー」が目につきました。

自分たちは弱小ブランドで、人気もなく、大したことないんです。

と自らを下げ、でも頑張ってますのでよろしく!という文脈の。

人からの評価やツッコミに敏感にならざるを得ないいま、

自虐というのは便利なスタンスになりました。

自分のことを客観的にわかってますよ〜という視点は、

コピーを書く上でも、便利なんだと思います。

でも、次々そんなコピーを見ていたら、

自虐の裏にある自意識の高さの方にいやらしさを感じてしまいました。

自虐、お腹いっぱい。

そろそろ、なしでどうでしょう。

 

とか書いてますけど、

私自身も毎日自虐に走りがちなので

まずは自分が打ち合わせで

「大したこと考えてきたわけじゃないんですけど」

「動画企画苦手なんで、ダメダメな感じなんですけど」

と自虐と謙遜から入るのをやめることからですね。

自虐に走るのは、自信がないから。

自信がないのは、ちゃんと考えていないから。ですから。

 

なお、業田良家さんの漫画「自虐の詩」は最高の名作です。

1週間よろしくお願いいたします。

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