リレーコラムについて

うんこでした

渡邉洋介

さわやかな日曜日の朝。
休日におしゃれなことがしたくて、東京都港区にある
おしゃれなカフェに家族みんなで行きました。
ぼくはレーズントーストで焼いたというおしゃれな
フレンチトーストを食べながら、ブレンドコーヒーを飲みました。
妻はショコラクロワッサンというおしゃれなクロワッサンを
食べながら、アイスカフェラテを飲んでいます。
そのときです。3歳になった娘が満面の笑みを浮かべて、
カフェにあった本棚から絵本を持ってきました。

その本のタイトルは、「うんこ!」
表紙には、ぐるぐる巻きのうんこが笑っています。
このおしゃれなカフェに、なぜ、この絵本が置いてあるのか。
という疑問がまず頭に浮かびました。
娘が、読んで読んで、と言うのでしかたなく読みます。
朝からうんこ朗読会です。
何度も言いますが、ここはおしゃれなカフェの店内です。

絵本のなかで、うんこは「くっそー!」と悔しがり、
「うん、こうしよう」と決断し、「ふん、ふん、ふん」と
旅にでます。うんこが奮闘するストーリーです。

(えこれおもしろい)

自分でも意外だったんですが、声に出して読んでいたぼくは、
だんだん気持ちよくなってきました。

人間は本来、うんことか、下品なことが好きで好きで
たまらないのかもしれない。
その証拠に、娘はきゃっきゃ言いながらうんこの話を
聞いている。
去年は、うんこ漢字ドリルという小学生向けの国語ドリルが
爆発的に売れて話題になった。

ためしに、東京コピーライターズクラブのリレーコラムの
ページを開き、「うんこ」でキーワード検索をしてみました。

15件ヒット。
うんこだらけです。
あちらの巨匠も、こちらの巨匠も、うんこという言葉を
使いまくっています。
仲畑さんにいたっては、「うんこ」というタイトルのコラムを
書いています。
そかそか。そういうことか。

世の中の大人たちは言います。
下ネタ書くな。汚い言葉使うな。と。

でもそれ、本当は違うのかもしれない。
誰もがみんな、聞きたくて聞きたくてしかたがないのかもしれない。
大人たちはその欲求を、心の奥にぐっと押し隠して
生きているのかもしれない。
抑圧され、うっぷんが溜まっているのかもしれない。

そういえば、「うっぷん」という言葉にも、どこか、
うんこに近い響きがあります。
うっぷんの由来は、うんこが溜まった様子から
きたのかもしれません。知りませんが。

うんこでいいよ。うんこでいこうよ。
うんこ、もっとやってうんこ。

最後のコラムは、声を「大」にして言いたいことを書きました。

1週間おつきあいいただき、ありがとうございました。

バトンを渡してくれたばっしー(石橋枝里子さん)、
ありがとうございました。
恥ずかしい恥ずかしいと言いながらバトンを
押しつけてくるところに、キュンとしました。

次のバトンは、新人賞同期であり、会社の同期でもある、
世界的映画監督の長久允くんに渡したいと思います。
お願いしたところ、OKOKーッとふたつ返事で
バトンを受け取ってくれました。
きっと書いたコラムにも、世界が大絶賛するはずだ。
悔しいです。うらやましいです。
よろしくお願いします。

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