リレーコラムについて

これこそ突然だが、

大塚久雄

3日目です。よろしくお願いいたします。
株式会社ヒサオ・オオツカの大塚久雄です。

 

突然だが、
みなさんは節分の豆まきを
したことはあるだろうか。

それはあると答える人が多いだろう。

では、家でまくのではなく、
神社等で舞台の上からまく人に
なったことはあるだろうか。

芸能人やお相撲さん、歌舞伎役者、
時には地元の政治家などが
よくやっているアレである。

今年、私はそれをやった。

何かに選ばれたわけではなく、
事前に申し込んでおけば誰でもできた。
(場所によると思うが)

昨年は「投げてもらう側」で参加していたのだが、
老若男女による想像以上の熱狂に感動し、
今年は「投げる側」として参加すると決めていた。
家族は下で見守ると言ってくれた。

やってみると驚いた。
ほかの参加者の人たちも言っていたが、
まさにライブ中のアーティストの気分なのである。

みんなが上を見て(つまり私を見て)、
私が投げた豆にいっせいに手を伸ばす。
それも、とびきりのいい顔をして。

「みんなー、盛り上がってるかーーー」

と言うわけはないが、
代わりに

「鬼はーー外ーーーーーーーーーーー」

オーディエンスを煽る気持ち的には同じである。

「次の歌、聞いてくれーーーーーーー」

と言うわけはないが、
代わりに

「福はーー内ーーーーーーーーーーー」

と熱い想いを届けた。

 

セットリストとしては
「鬼は外 福は内」の一曲しかないが、
その曲は誰でも知っていて、
オープニング曲であり
アンコール曲でもあるという、
刹那的だからこその盛り上がり。

私はニヤニヤしながら、
枡いっぱいの豆を投げていたのだが、
ふと下にいる娘の顔が曇っているのが見えた。

始まる前は
父親が投げる豆を取ろう(拾おう)と
張り切っていたのだが、
ライブ開始後の周囲の盛り上がりに、
怖くなって泣き出してしまっていたのだ。
※転んだり怪我をしたりしたわけではない。

娘に拾ってほしくてそっちに投げると、
人が集まる、盛り上がる、娘が余計に怖がる。

私が豆を投げるほどに、娘は泣く。

終演後、
まだ泣いている娘に「大丈夫?」と言うと、
「パパが豆投げたいなんて言うから・・・」
と言われた。

私は鬼を退治する側であったのに、
「鬼はパパ」となってしまったのである。

 

自分のわがままに家族を巻き込む。
40歳を歳を過ぎて会社を辞め独立したとき同様に、
その責任を強く感じた今年の節分であった。

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