リレーコラムについて

じゅわり

小山真実

シズルが好きだ。

肉が焼ける音、
果物から溢れる甘さ、
バナナケーキの香り、
卵のツヤ感。

コピーライターにはいろんな仕事があるけれど、
いちばん「感覚」にどっぷりつかって書けるのは、
シズルなんじゃないかと思っている。

もちろん書くだけじゃなく、
食べることも料理も好きで、
気分がざわつくときには、
無心で野菜を刻み、鍋いっぱいのスープをつくる。
コトコト煮こんでいるうちに、
バラバラだった玉ねぎとパプリカの境界がなくなっていって、
トロンとした甘みが滲み出てくる。
鍋をかき混ぜて香りを嗅いでいると、
私はやっぱり魔法使いだったんだ!って気分になってくる。

なんなら人生だって、素敵に年を重ねてる人は、
その年齢ごとのシズルがある人ってことなんじゃないかな、と思う。

そういうことなので、
シズルや味コピーの仕事が嫌いだったり、
苦手だなって思いながら書いている方がいたら、
もったいないので私にください。

NO
年月日
名前
5719 2024.07.12 吉兼啓介 短くても大丈夫
5718 2024.07.11 吉兼啓介 オールド・シネマ・パラダイス
5717 2024.07.10 吉兼啓介 チーウン・タイシー
5716 2024.07.09 吉兼啓介 吉兼睦子は静かに暮らしたい
5715 2024.07.08 吉兼啓介 いや、キャビンだよ!
  • 年  月から   年  月まで