ぼくとカッパの七日間
ぼくは、
オバケとか、超常現象とか、
信じない派です。
大槻教授を支持する派です。
ただ。
カッパだけは信じています。
というか、見たことがあります。(ほんとに)
というか、毎日会っていました。(七日間だけ)
というか、ちょっとした友達でした。(5歳のとき)
だれも信じてくれません。
たしかに、
ぼくが勝手にカッパと認識しているだけで、
別の生き物かもしれません。
でも、たぶんあれはカッパです。
デビッド・カッパーフィールドではないです。
お父さんといっしょに
犬の散歩へと出かけた、
ある晴れた日の昼さがり。
当時、新しいお家に引っ越したばかりで、
すぐ近くを流れる旭川(岡山に流れる川)
の川辺を探索しながら歩いていました。
小さな橋にさしかかったとき、
ふと水面をのぞくとポコポコと気泡が。
じーっとのぞいていると、でてきました。
気泡といっしょに。カッパが。ゆっくりと。
サイズ感は、たぶん30cmくらい。
水面からでているバストアップしか見ていないので。
もしかしたら下半身ものすごく長いかも。
肌の色は緑っぽいんですが、
体中にコケがびっしり生えていて、
正確な色味はわかりませんでした。
目は鋭くて、ほぼ黒目。
鼻と口は、鯉みたいなイメージです。
あと、髪の毛みたいな?触覚みたいな?
なんか変なのが頭からボサボサ生えていました。
(ちなみに、お皿的なものと甲羅的なものはありませんでした。)
目が合いました。
ぼく 「・・・。」
カッパ「・・・。」
ぼく 「・・・。」
カッパ「・・・なに?」
ぼく 「・・・。」
カッパ「・・・。」
ぼく 「おとぉさーん!」
カッパ「いや、呼んだらあかんやろ。」
なんだか急に怖くなって、
先を歩いていたお父さんを呼んだ瞬間、
カッパは、水の中に消えていきました。
いや、なんでしゃべれたん?
いや、なんで関西弁?
その真相を確かめたくて。
その日からぼくは毎日、同じ場所を訪れました。
で、いろんな話をしました。カッパと。
で、七日目に突然、
「今日で最後な」と別れを告げられました。
それからもう二度と、会うことはできませんでした。
何を話したのか。すみません。
詳しい内容はお伝えできません。
だって2人?(カッパの単位って何なんでしょうか)
だけのヒミツって約束したので。
ひとつだけ言えるのは、
カッパはたまごボーロが好きだったということ。
この話、だれも信じてくれません。
ただ。
じつはひとりだけ、信じてくれた人がいます。
いまの妻です。
あと、もうひとつだけ。
最後に会った日、カッパはこう言いました。
「おれとの話な、
信じてくれる人おったら、
その人キミが結婚する人やで」
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