リレーコラムについて

もひとつ突然だが、

大塚久雄

最終日です。よろしくお願いいたします。
株式会社ヒサオ・オオツカの大塚久雄です。

 

突然だが、
独立すると社名を決めなければならない。

これが難しい。
コピーライターをしていると特に難しい。

今まで仕事で数え切れないほど
ネーミング作業をしてきて
「これがいいと思います!」と
人様に提案してきているのに、

それが自分のこととなるとどうだ。

決めることの難しさは、
提案することの比ではない。

まずは自分に「オリエン」をしてみた。
できること、存在意義、野心、
独立への想い、目指す将来・・・。

どんなオリエンを書いても、
間違っていないが何か違う。
借りてきたもののような気がする。

オリエンを書くことの難しさは、
提案することの比ではない。

困った。

すると気がつくのである。
今の私には
ネーミングとして昇華されるべきもの、
つまり覚悟がないのではないかと。

正直、
何を書いても数年後には
変わっているような気もする。
それくらい覚悟が「ない」気もしてきた。

それから、
なんといっても
コピーライターの会社である。

仕事の問い合わせをしようかなと
思ってくれた人がいたとして、
まず社名を見て、
「ああ、なんか良さそう」とか
「いや、ちょっと違う」などと
その力量を測るだろう。

社名を考えることは、
センスをどう凝縮させるかという、
恐ろしい作業でもあるのだ(ほんとか)。

つまりネーミングでありつつ、
会社の実績のようなものなのである(ほんとか)。

とにかく、
・私にとってずっと変わらない何かで
・センス云々の話からは距離を取れる

そんな社名が求められた。
そして名付けた。

株式会社ヒサオ・オオツカ

そこに「私」がいるということは、
今後も会社がある限りは変わらない。
それが「覚悟」ではあった。

センス云々にはまあその、
隠しきれない自己顕示欲という意味では
距離が取れていな△%&#×◇

二年が経ち、
今では社名はまさに名前に過ぎず、
周囲も中身でしか見ない(当たり前だ)。

創業者の名前を社名やその由来にしている
素晴らしい会社はたくさんある。
意識して見るようになった。
実はジャンルとしては一番多いかもしれない。

そしてどんな社名でも
周りから呼ばれると馴染むと分かった。
その意味では、
生まれてから40年以上呼ばれてきた名前なので
ものすごく馴染んでいる。私だけは。

その意味では
悪くないネーミングではある。
よくやった、俺。

ただ弊社の場合、
もはや名前をつけたと
クレジットされるべきCWは
俺ではなく、私の親であるけれど。

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5日間ありがとうございました。
楽しかったです。

バトンは前の会社の大好きな先輩、
電通の山中康司さんにお渡しします。
よろしくお願いします。

ではみなさん、良い週末をー。

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