リレーコラムについて

コピーライターとスキル

富田克人

 

「お仕事は何されているんですか?」と訊かれ、

「コピーライターです」というと、

「じゃあ僕にキャッチコピー付けてもらえます?」

と言われ困惑したことが7回ほどある。

コピーを書くためには基本的には商品の情報が必要なのだが、

初対面の人に「僕のキャッチコピーを!」と言われても、
外見くらいしか参照できる情報がない。

「ダイエット歴30年」

「タイヤ男」

「着痩せまんじゅう」

などというフレーズが万が一思い浮かんだとしても、
ルッキズムに触れるので口には出さない。

だから、

「いやぁ、コピーは大喜利じゃないんですよ」

と言うと、

「ああ、この人、そういうの思いつかないのか。全然アイデアフルではないな。二流二流」

と思われるのもしゃくである。

なので、こういうときは、言語化する対象を本人そのものから少しずらして

「先祖が右大臣」

みたいなフレーズで煙に巻くようにしている。

コピーライターは珍し目の職業のためか、
能力やスキルが過大に理解されていることが多い。

 

・文章のプロ
・難しい言葉をたくさん知っている
・漢字検定一級
・本をめちゃくちゃ読んでいる
・さらっと小説が書ける
・なんなら俳句や短歌もたしなんでいる
・ポエムが書ける
・さりげなくする話が面白い

 

など。

そういうすごい人も確かにいる。

そうじゃない人もたくさんいるというのが現実だ。

私も、そうじゃない人の一人で、
このリレーコラムに関しても、
四苦八苦、七転八倒しながら書いている。

今日は、ポエムを書こうと思ったが挫折してしまった。

みなさんこれからも、
コピーライターを生暖かく見守ってください。

一週間、ありがとうございました。

 

 

さて、リレーコラムのバトンは
電通の木村亜希さんにお渡しします。

電通の木村亜希さんは、
TCC新人賞の同期です。

バトンをくれたアボットくんは、博報堂コピーライターの同期、
バトンを受け取ってくれた木村さんは、TCCの同期。

困ったときは同期なんですね。

同期って大事。

木村亜希さんよろしくお願いします!

NO
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