ジグザグしてみる
「When the world zigs, zag」
広告界のローリング・ストーンズこと、
ジョン・へガティが書いたBBHの社訓です。
「世の中があっちに行くなら、私たちはこっちに行く」
内容もかっこいいんですが、
ZIG(ジグ)とZAG(ザグ)ってこう使うんですか!?かっこいい!
さすがへガティさんはエグゼキューションにも手を抜かない。
私の心の師匠の一人であり、
日本にCMプランナーという職業の
礎を築いた安西俊夫さんも、
「広告なんて簡単だよ。
みんながやってることの逆をやればいいんだよ」
教えてくださいました。
ただ、今はそもそも主流がわからない、
多様化しすぎて主流がない時代になってきているので、
「the world」や「みんな」を見極めるのが難しいのですが、
このスピリッツの大事なのは
「誰かが言ったことを鵜呑みにするな」
ってところだと思うのです。
「当たり前って言われてることって、本当に当たり前なのか」
と疑って、自分の頭で考えることだと思うのです。
そうやって自分の中の違和感に気づいて、
その声を大切にするって、宝の山だし、
コピーの宝庫だと思うのです。
もっというと、事業や商品開発のタネ
そのものじゃないでしょうか。
だから、講義の後に新人から
「僕はそう思わない、なぜならば〜」
とまっすぐな目で言われた時はホッとしたというか、
この子は違和感を押し殺さないんだな、というか、
きっといいもの作るんだろうなあ、と思いました。
そしてわたしも、日々感じる違和感を
大切に暮らしていきたい、と改めて思いました。
気づいてしまうとめんどくさくて、
無意識になかったことにしちゃうこと、
よくありますから。
そして次のバトンは、競合チームにいたら
一番嫌な相手、福部明浩さんです。
ああ、いいな、と思う広告の
スタッフリストを見ると
福部さんの名前がある時が多いです。
福部さんは私が生涯でもベスト3ぐらいに好きな舞台を
「まったくおもしろくなくてびっくりした」
と言っていたので、気は合わないはずなんですが……
でも、ジグしたらザグする達人だし、
人間ってこういうところあるよなあ、
を描くプロフェッショナルだし、
今これ言ってほしい、という世の中の空気を
どうしてこんなに読めるんだろう?
と常々ふしぎに思っています。
広告業界全体を育てるために少しでも
種明かししてくれるといいのですが。
よろしくお願いいたします。