セレンディピティ

はじめまして。

東急エージェンシーの藤本修二です。よろしくお願いいたします。

みなさん、「セレンディピティ」という言葉をご存じですか。

「偶然がもたらす幸運」のような意味です。

この前、これがセレンディピティなのか、と感じたことがありました。

祖父の知り合いのご夫婦と飲むことになり

面倒くさいなあと思いながらその席に向かいました。

知り合いの旦那さんは、１点ものの超高級オーディオを修理するという

オーディオ界の最後の砦の一人と言われる男でした。

年齢は７０過ぎ、こわもて。

絵にかいたようなザ・職人。

とっつきにくいけれど、懐に飛び込むとすこぶるやさしかった。

彼は自然科学から物理学まで幅広い知識をもとにオーディオと対峙しているそうです。

話は大いに盛り上がり、なぜか

「世界は知らないことであふれている」という話題になったんですね。

私は広告の世界から、彼はオーディオの世界から、知らなかったことを語り合う。

知識の旅に一緒に出かけたような、ほんの少し特別な時間を共有する場になりました。

すると後日、彼から一冊の本が届きます。

「量子論を楽しむ本」。

その本が届いた時、彼が話していたことを思い出しました。

「量子論からすると、この世界なんて、ないかもしれなんだぜ」

その時はなんのことかわからなかったのですが、

その本を読んで、世界の見方が変わりました。

変わった、より、視点がふえた、か。

祖父の知り合いと飲んだら、量子論と出会いました。

まさにセレンディピティ。

面倒くさがってばかりでは、だめですねえ。

なんでもいいから動いたほうがいい。

だってそこにセレンディピティはあるから。

人並み以上に面倒くさがりの自分に、言い聞かせているこのごろです。