パンツを脱ぐジークリンデ
薄景子さんから受け取ったバトンを、早くも落としそうになっています。
薄さん、メールを再送してくださってありがとうございます。
せめてタイトルくらいは面白くなるように心がけようと思います。
さて、この夏にバイロイト音楽祭で上演された「ワルキューレ」というオペラがあります。
ワーグナーの「ニーベルングの指輪」四部作の二作めです。
ざっとストーリーを書きますと、
ヴォータンという北欧神話の神々の王が人間の女と交わって
双子の兄妹が生まれます。
この兄妹は母を殺され、妹のジークリンデは略奪婚でフンディングという男の妻に、
兄のジークムントは森の中で孤独に成長します。
ある日、この兄妹が出逢います。
出会って、お互いにひとめ惚れ。えええ〜!
ひとめ惚れ合ってしまった兄妹は駆け落ちをします。
バイロイト音楽祭の新演出はとんでもないものが多いのですが、
この「ワルキューレ」は前代未聞の恐ろしい設定がありました。
兄妹が出会ったとき、妹のジークリンデはすでにお腹に子供がいるのです。
しかも出産間近の巨大なお腹です。
こんな設定はワーグナーの原作にはありません。
歩くのもヨタヨタしているのに駆け落ちするなってば。
フンディングとその一派に追われる駆け落ち兄妹。
執拗に追ってくるフンディング。
よりによってこのタイミングで陣痛におそわれるジークリンデ。
兄のジークムントが追ってきたフンディングと戦っていると
ジークリンデのところへ父ヴォータンがやってきます。
ワーグナーの原作では、
ヴォータンはジークムントとフンディングの戦いの決着をつけるために
やってくるのですが、
この演出のヴォータンは、戦いを放っておいて
今しも子供を産もうとしている娘のパンツを脱がせます。
そうか、出産ってパンツを脱がないとできないのか!
これは目ウロコでした。
なにしろ経験がないものですから、そんなことすら知りません。
しかも、神々の王ヴォータンが娘のパンツを脱がせるという前代未聞の演出に
脳内がカオスになりました。
ヴォータンに膝までパンツを下された妹ジークリンデは
痛みに耐えてその場を逃れるのですが、
そのあとに何かあやしい物体が残っていました。
あ、あれはまさかジークリンデが落としたパンツでは? (誰か拾え!)
私はたいへんヤキモキして、
画面を最大にして観察したくらいです。(幸いパンツではなかった)
これはオペラ史上もっとも悲惨な演出の「ワルキューレ」と思いますが、
パンツを脱がされながら素晴らしい歌を聞かせてくれた
身長188センチのリーゼ・ダヴィドセンが妙にかわいらしかったです。
この「ワルキューレ」に興味のあるかたは下の動画をご覧ください。
パンツシーンは32分過ぎくらいから。
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