リレーコラムについて

ビジネスとエロ

石本香緒理

エロは地球を救う。

 

数年前に担当していたクライアントとの飲み会のスローガンです。

(ピンク色より黄色が思い浮かぶ、ふしぎ。)

飲み会の名前はもちろん、エロは地球を救う会。

 

メンバーは、クライアント数名と営業2名、私。

各自、「エロ」にまつわるインパクトある経験を持ち寄って話す。

それに対してあーだこーだ盛り上がって、

最後にMVE(Most Valuable ERO)をみんなで決めるという会。

1回か2回か、MVEになった。選ばれると意外にうれしい。

 

そんな思い出の飲み会。

なぜ開催させるようになったのか。あくまで推測。

 

クライアントと営業との打ち合わせで、下ネタが飛び交っていたこと。

営業と私との打ち合わせで、下ネタが飛び交っていたこと。

この2つが重なり、営業は思った。

これは使える!と。

エロで仕事の絆を深めようじゃなか!と。

(ここまで大仰じゃないけど、こういうことだったと思われる。)

 

営業から、エロは地球を救う会に勧誘されたとき、

私はすぐに話にのった。

 

エロはビジネスツールになる、と思っていたから。

正しく言うと、そういう話は、

仕事関係の中で仲良くなれるきっかけになると思っていたから。

 

人は、多かれ少なかれそういう話に興味があり、

でもどこでも誰にでも言っていいわけではなく。

特にビジネスの中で、そこを解放されると、人はうれしくなるんじゃないか。

だから、仕事仲間を楽しませ、仲良くなるために、

トークにエロは必要なのだ!と。

社会人になってからのいろいろの中で、そんな使命感が生まれていた。

 

それを打ち破られたのが、去年。

とある撮影の打ち上げ。場を盛り上げようと、またいつものように

会話の中でエロジャブを打っていた。

すると、尊敬する営業の男子が苦笑。

尊敬する彼に引かれてはならないと、私は、私の大義を伝えた。

「私のは、ビジネスエロだから。」

すると、彼は、

「ビジネスで、エロになる必要あります?」と。

 

そのひと言で、薄々気づいていたことに、はっきりと気づかされてしまった。

 

私はビジネスでエロを演じ、周りのためにやっているんだ、と

言い聞かせていたが、

実際は、ただただ自分が言いたいだけの、ある種のストレス発散暴力行為であると

気づいてしまった。

 

みんな、ごめんなさい。

そう改心した。

 

なのに、いまでも、

目の前のこの人だけはエロトークを求めているかもしれない、と

念のためにジャブを打ちたくなってしまう。

というか、打ってしまっている。

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