フリーランスのカンヌ
フリーランスになってカンヌに行くのは、少し勇気のいることでした。
だいたい皆さん同じ会社の人同士でつるんでいるんだろうし、
夜は色々パーティがあるって聞くけれど、
知らない人ばかりのところに行くのは気後れするし、
そもそもフリーでカンヌに行く人なんているんだろうか。
そんな恐れがあったので、
今回GOの三浦が
「こやまさんも行きません? 僕も小林もAOIの陽さんも行きますから」
と声をかけてくれたのは、とてもありがたかったです。
そしてホテルも登録も一緒に手配してもらい、大変助かりました。
(もちろん費用は自腹です)
会場に入るためのパスには
「どこの会社の誰なのか」というのを記さなければならず、
私はこやま淳子事務所のこやま淳子なので、
英語で「JUNKO KOYAMA/KOYAMAJUNKO.ltd」
とデカデカと表記され、
なんだかすごく自分の名前が好きな人みたいな感じになってしまいました。
現地では、多くの時間を、
三浦や小林くん、AOIの陽さんと一緒に行動させてもらったのですが、
彼らも忙しく会食があったり、先に帰国されたりもしたので、
そんな日は一人でご飯をどうするか考えなければなりません。
でもそんなとき、これまでお世話になったプロデューサーが続々と声をかけてくださり、
彼らの催すパーティ会場に行くと、思いのほか知り合いがわんさかいて、
さらに様々な方々をご紹介していただき、とても楽しかったのです。
私はフリーで1人の会社だけど、
いままで生きてきた時間の中には、たくさんの仲間がいたし、
これからもそれは増え続けていくんだなあ。
なんて思うことができたのも、カンヌで良かったことのひとつです。
(そしてそこで再会した矢谷さんに、こうしてリレーコラムを受け継いだという)
そんな久しぶりにお会いした方々の1人に、
博報堂の吉兼啓介くんがいました。
彼は一見イマドキ男子っぽいチャラっとした雰囲気で、
しかも売れっ子CMプランナーなので、
たぶんちょっと生意気そうに見えて損するタイプなのですが
(決して私がそう思ったわけではなくあくまで推測です)
実際に仕事をするととても真面目だし、
「ああ、この子は企画が好きなんだなあ」ということが
彼の絵コンテを見るとよくわかります。
彼のコンテは、ちょっと他で見たことないくらい絵が上手なのですが、
アーティスティックなうまさというよりは、
線画でわかりやすく、小さいコマの中に入っても見やすい、
なんというか、絵コンテに最適化されたうまさなのです。笑
そういうコンテを、ボツになってもボツになっても
淡々と描き続けてくる。
それが昔お仕事したときの吉兼くんの印象でした。
次のバトンは、そんな吉兼くんに渡したいと思います。
それでは一週間、ありがとうございました。
次はまた10年後に。笑
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