代表作は「娘の名前」
名司会者のツッコミにより思わずあれこれと
話したことのなかった裏話などしています。
このコラボ企画に当たってはたくさんの会員に
アンケートの回答を寄せていただきました。
ありがとうございました。
その自由回答欄に「娘の名前」がありました。
私のベスト、コピーの代表作として、です。
これについては昔のエピソードに由来します。
30年ほど前の、TCC30周年のイベントにて。
それぞれのコピー、この一本、みたいな企画があり
・・・みずから言挙げる照れくささを感じて
「娘の名前」ということにしたのだと思います。
ところがこれが・・・
その年の年鑑に特集として掲載されてしまい
おいしい生活。 糸井重里
の隣に、堂々と置かれる顛末となったのでした。
夏野ゆく牡鹿の角の束の間も
妹が心を忘れて思へや
柿本人麻呂
万葉集 巻四 五〇二番
この相聞歌(ラブソング)にちなんで、夏野。
夏の野をゆく
鹿の(生え替わったばかりの)
(短い)角ほどの 束の間も
お前のことを忘れることがあろうか
(いや ありはしない)
いい歌でしょ。人麻呂の作だし。
生まれた初夏のイメージで、美しいし。
これを見つけたときは「ユーレカ!」でした。
ネーミングとしてはでかしたものです。
われながら。やっぱりいいよなあ。
いちばんの自信作とするのもわるくないか。
でもね。
ほんとうはこの歌は
親の気持ちを詠んだものではなくて
パートナーとしてのものなのです。
だからこれからは
この歌を新郎の君に託します。
それから30年後の、結婚披露宴にて。
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