何を言わないか?も、コピーライターの仕事だ。
みなさん、火曜日です。
歯を入れたので少しだけ元気な米村大介です。
落語の枕のように流暢なコラムにしていきたいと思います。
が。。。
現実は何も起きずに夜になってしまった。。。
あーー。リモートばっかでどこも行かずにハンバーガー食べて過ごしたぼくが悪かった。
やっぱ打席に立ってフルスイングしないとダメですな。
・・・GW中に思った話を絞り出してします。
腰を痛めながらも、なにか映画でも見ようと思い、
受賞以前から噂に聞いていた「PLAN75」を今更ながらですが、見ました。
見てない人もいると思うので、内容の話はしませんが、、、
読後感としては、どうしようもなく胸が締め付けられて、
「あー、こういうこと僕らコピーライターがやらないといけないよなー」という、
若い頃によく覚えた「やられた感」だった。
眠くてしょうがないときに見たせいもあり、
うっつらしながら見てたのですが、
あれ、これ、ほんとの話だっけ?と、途中、夢と現が途中ごちゃまぜになり、
そしてとても怖くなり、母にLINEしようとした。(あ、母は亡くなっていたのでした)
こんなリアリティのあるフィクション、なかなかないです。すごいな、と。
それ以来、目をつむると、映像が出てくるんです。
目に焼きついてるんでしょうか。
音楽のサビが耳から離れない感じに近いですね。
正直、そんなに真面目に「見よう!」と思って見たわけじゃないですが、
(あまり言うと怒られますね)、結果的に、映像が、ところどころ、頭から離れない。
なぜだろう?・・・と少し考えたのですが、、、
映像に説明が少ないんですね。
想像力をかきたてる、感じになってた。
セリフなし、状況音のみ、か、音楽。
だから、映像が目に焼き付くんだ。
そして、心の声が、聞こえてくる。
たとえば、不器用な職人気質のおじさんもそうですね。(例えが唐突すぎますが・・・)
無言のYESが一番強い。普段無口な人の「ありがとう」ほど重いものはない。
広告もそうだな、って思うことが時々ある。
ビジュアルとロゴだけで伝わるなら、それが一番強いんじゃないかって。
ビジュアルがキャッチで、ロゴがタグラインの機能を持っていたら、
それが一番強いんじゃないかって。
音楽も、ChatGPTも、雄弁すぎるものが、
素晴らしいクオリティになってきている。
これからは、
何を言わないか?も
コピーライターの大事な仕事になると思う。
引き算の美学。
それは、不必要なものを言わないのではなく、
むしろ、伝えたいからこそ、言わない、という選択。
行間を読むとか、わびさびの考え方とも似てるかも。。。
具体的にAIの話で言えば、、、正確なプロンプト(呪文とも言われますね)を書いて、
AIリサーチャーを動かし、掛け算の先を生み出せる能力、矢印の先にある答えを
生み出せる能力とかとか、ですね。
「自分で問いをつくれるコピーライター」が大事になってくるでしょうね。
でもですねーー。
言うは易しで、
実際、リアルな現場、考えたときにはむずかしいですよねー。
「コピーなんかちがうなー、もう少し考えて」
と散々ダメ出しくらって書いて書いて書いたあげく、
「おすすめはどれですか?」とクライアントさんに聞かれて
「コピーはないほうがいいと思います」
とは、、、なかなか言えない。たとえ少しそう思っていたとしても。
まずは、ディレクションする立場のときに、
「いっぱいコピー書いてもらったけど、
ここはコピーがないほうがいいと思う!」
とも言えるコピーライターでありたいと思う。
「今はどうですか?」と聞かれれば、、、
まだまだそうじゃないかもしれない。
だから、、、書くしかないのよ、書くしか。
大丈夫。
コピーは書いた文字の分だけ、うまくなる。
みなさん、火曜日です。
そうやって、どん底まで落ちたモチベーションを
嘘でも上げていくしかないのです。
何を言わないか?も、コピーライターの仕事だ。
ということを、若い頃、ゴリラーマンに学んだ気がする。
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