勝敗
勝つとはどういうことか考える。やはり誰かと比べることで判断されるものなのか。自分に勝つという捉え方もある。でも、自分に勝ったというのは自分にしか分からないのだから、それは勝ったことにならないという反論もありそうだ。いずれにしても、私たちはいつも勝敗を決めなければならない状況に晒され、白黒をつけて結論を出すことを迫られる。それはとても辛いことだなぁとモヤモヤしていたとき、自分の身近にあるものに救いを見付けた。私はJリーグが好きで、ほぼ毎週やってくる試合に一喜一憂しながら地元のチームを応援している。サッカーの試合には「勝ち」と「負け」だけではなく「引き分け」も用意されている。勝つと3ポイント、負けると0ポイント、引き分けると1ポイントがもらえる。ここで人生に置き換えてみる。人生の中で「引き分け」を意識することはあるだろうかと考えてみる。もしかすると私たちは、人生の様々な場面で、「引き分け」を「負け」に限りなく等しいと捉えがちなのではないか。白黒をつけたいがために、二者択一をしてしまっているのでないか。「引き分け」には、なんともスッキリしない後味が残る。でも、「引き分け」は「負け」ではない。しっかりと1ポイントをゲットしているのだ。こう考えると、少しだけ楽に生きていける気がする。