右側通行の通路は右側を歩く 〜あるいは、こどもにコピーは書けるのか〜
こんにちは、サン・アドの大友美有紀です。
昨日からリレーコラムを担当しております。
当初「〇〇〇なTCC」というタイトルで統一しようと思っておりました。
ところが、アップしてシェアしてフェイスブックのマイページでチェックしたら、
なんだか素っ気ない。
なので、方針を変えました。
本日のタイトルは、どうでしょうか。
私の会社の最寄り駅は、東京メトロ銀座線の「外苑前」で、
ずっと2番出口の工事をしていて、3番出口への通路が狭くなっています。
朝夕、多くの人が行き交う時間には、警備員の方が立って、
「右側通行にご協力ください」と大声で呼びかけています。
ときには通路の真ん中にロープを張り、皆が右側通行するように促しています。
私は、もちろん右側を歩きます。
警備員さんがいなくても、
ロープが張られてなくても、
右側を歩きます。
理由は、その方がめんどくさくないから。
皆、スムーズに通行できるし、
肩がぶつかって、おいテメエ、なんだこのやろう的な
事態も起こらないからです。
社会のルールをきちんと守ろう、という理由ではないのです。
自分にとってどっちがいいか、で決めています。
ところで、TCCでは「こども広告教室」を開催しています。
東京千代田区の番町小学校で年に1回、
6年生にコピーを教えているのです。
番町小学校は、147年(2019年時点)もの歴史を持つ、
東京都に現存する最も古いといわれる公立小学校です。
TCCは、そこで14年も「こども広告教室」を実施してきました。
なんか、すごいですね。私も、毎年参加しています。
学年全体に「広告」と「コピー」についてのレクチャーを行い、
各クラスの班単位でコピーを書くのです。
そこでいつも感じるのが、こどもって意外と「こどもらしい」発想をしない、ということです。
こどもたちはコピーを書くとき、まず正解を考えようとします。
たとえば「学芸会に来てもらうコピー」を作りましょう、というとき、
みんな頑張って練習しました、見てください、のような、
とても正しいことを書こうとするのです。
もうそれは、そういう風に考えるクセがついているのでしょうね。
でも、それじゃあ、みんな同じコピーになっちゃうよね、
今度の学芸会はどんな学芸会なのかな、
なんで学芸会に来てほしいのかな、と問いかけると、
うーー、と考え始めます。
煮詰まってきたな、というタイミングで
自分たちは学芸会で何を見せたいのか、
誰に来てほしいのか、考えてみてというと、
班での話し合いが活発になります。
そうすると、そこからが面白い。
それまで意見を言わなかった子が発言するようになり、
他の子の言葉に耳を貸さなかった子は柔軟な態度になり、
コピーは考えられないけれど発表の時の字を書くと申し出る子がいたり、
完成に向けてエンジンがかかります。
そして、結局、こどもってすごいと感心します。
その様子はTCCのサイトでもご覧になれます。
https://www.tcc.gr.jp/newsletter/118469/
(記事は2017年の様子です)
どうですか?
面白いでしょう?
そう、こどもにもコピーは書ける。と思います。
誰もが無意識に従っている「正しいこと」を
「本当にそうかぁ?」と疑って
「自分はどう思うのか」を軸にしていけば書けるのだと思います。
そんなこどもたちの様子に、勇気ももらえます。
私が右側を歩くのも、世の中のルールに「そういうもんだから」
と無自覚に従うのではなくて、自分がどうしたいかを考えてみる。
些細なことかもしれないけれど、こういうことを積み重ねて、
「自分の考え」を作っていきたいと思うのです。
はてさて、長くなりましたが、
このように楽しい「こども広告教室」は、
番町小学校以外でも開催しています。
これまで、横須賀美術館や川崎の西野川小学校、
練馬の春日小学校に出張しました。
出張こども広告教室をご希望の方は、
ご相談ください。
大友かTCC事務局まで。
では、また明日。
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