坂本和加はネーミングがうまい。
抜群の天性があると思う。
もともと直感型の人間だし。
加えて勝負運というか「引き」のつよさを
持っていることにいくたびか驚かされてきた。
だって、たった1枚の「勝負のカードを引く」
みたいなところがあるでしょ。
ネーミングって。
イオンの仕事で。
デスクを並べて商標の簡易検索(当時)を
必死になってかけていたとき。
あーだめだ、あーやっぱりね、おっとだめかー
の無限とも思える繰り返し作業のうちに。
あ、これいけるかもしれない。
・・・どれどれ。 おお!
それが「WAON」だった。
ネーミングの仕事を経験したひとならわかるはず。
その労力のほとんどは忍耐力を試すような
順列組み合わせの検証作業となってしまう。
たった「3音」で。
「企業名」に近く。
「語呂」もよくて。
そのうえ「いい意味」もあって。
それでいて商標「取れそうな」
ネーミング案を見つけてしまうなんて。
まるで「奇跡」だって!
新著のタイトル『ひとこと化』(ダイヤモンド社)も
なかなかいい名付けだと思う。
中味がまさにひとことで凝縮されていているし。
自己啓発系にも興味と期待をわかせそうだし。
なんだか売れそうな匂いがするぞ。
それはコピーライティングより普遍的なものだろう。
「言語化」という一種のハヤリ言葉もあるけれども。
それより一歩踏み込んだ感じかな。
いまどきのビジネスの波長にも同調的かもしれない。
本書の「私を入れない」というあたりのメソッドは
きのう紹介した「落合陽一の佐藤可士和論」にも
似たところがあるようだ。
偶然じゃないだろう。
「個を消す」ということ。
佐藤可士和本人もそのように発言している。
私でなく、個でなく・・・
その答えを見つけるには?
坂本和加『ひとこと化』(ダイヤモンド社)
いよいよ、本日発売、だそうです。