実況席の名コピー
ベルギー戦が終わった直後に書いています。
悔しい。あぁ悔しい。勝ちたかった。あと一歩だった。
でもイングランド・プレミアリーグでプレーする
ベルギー代表の選手たちをよく見ていて
彼らの上手さ、強さ、エグさをよく知っているだけに
正直、日本がここまでやれるとは思わなかった。
ドーハの悲劇の後、揺るぎないアジアの強国になったように、
悔しい試合だったからこそ、日本サッカー界全体が
次のレベルへステップアップする礎になるはず。
選手の皆さんありがとうございました。お疲れ様でした。
さて、この時期になると、サッカーがテーマの
映像やグラフィックなど様々な表現が世に出ます。
でも個人的に、これまで最も心に残る日本サッカーの表現は
NHKの山本浩アナウンサー(当時)の言葉です。
山本浩アナウンサーとは1986年メキシコワールドカップで
有名な5人抜きゴールを
「マラドーナ、マラドーーナ、マラドーーナッ!
あーーーっ、マラドオオオナアアーーッ!」
と名前の強弱だけで実況した伝説のアナウンサーです。
1997年 初のワールドカップ出場をかけた
アジア最終予選。国立で韓国に逆転負けするなど
日本代表は苦戦しつつもイランとのアジア第3代表決定戦へ。
試合は2対2で延長突入。監督、コーチ、選手、スタッフ
全員が円陣を組んだ時、その実況は聞こえてきました。
「このピッチの上、いま散った日本代表は
私たちにとっては、彼らではありません。
これは、私たちそのものです。」
リアルタイムで中継を見ていた時に聞いて、
試合終わってないのに泣けてきた事を覚えています。
実は昨年、JFAのお仕事をさせていただく機会があり、
この言葉を使った企画を提案し、カタチになりました。
山本アナの”コピー”入りのJFA のムービーは
日本代表親善試合のハーフタイム中
スタジアムのビジョンで流れました。嬉しかったなぁ。
ロシアワールドカップで3度目の決勝トーナメントに進み
ベルギー戦のピッチに立った日本代表もまた
「彼ら」ではなく「私たちそのもの」でした。
近い将来、さらに成熟したサッカー文化の中で
山本アナの言葉を超える表現が出てくるかもしれません。
実況席から?コピーライターから?
個人的に今、日本のサッカーアナで一番好きな
倉敷保雄さんは有力候補ですw
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