リレーコラムについて

寿ビデオマイスター

中川賢太

今日で最終回となります。中川です。
つい先日36歳になってしまい、結婚式に呼ばれることも
グンと減ってしまいましたが、若い頃は呼ばれる結婚式のほぼすべてで、
お祝いのビデオ、通称「寿ビデオ」を作ってきました。

その数、これまでに50本超。シンプルなプロフィールから、
ドラマタイズされた長尺まで種類は様々。寿ビデオの良い所は、
何と言っても、会場において視聴率100%の状態で、超真剣に見てもらえ、
さらに、笑い・涙など感情のハードルが低い所です!

普段、長尺のCMであっても、世の中をゲラゲラ笑わせるのはなかなか至難の技。
しかし、式場では違います。酒が入っている観客たちは、もはやザル。
なんなら、新郎新婦が映像内に登場するだけで笑います。
こんなに目の前で聴衆の反応が見られることも、CMではありえないこと。
ここでバカ受けした日には、その日はヒーロー扱いされますから。

ちなみにちなんじゃうと、僕は今の奥さんと寿ビデオが縁で出会いました。
同期女子の為に作った寿ビデオが大変評判が良く、あんな素敵なものを作る人は、
大層素敵な人なのだろうということで、あれよあれよと今に至ります。

最近は、ビデオと披露宴での出し物を掛け合わせた、
デジタルとリアルの融合系に主にトライしています。
近年の名作は、「世界一いらない引き出物」という企画。

新郎新婦に大量のコスプレをさせて、スタジオ&ロケで写真を撮りまくります。
その撮影の様子をビデオとして流し、何のために撮ったのかは明かさずに終了。
いざ、会場では、その写真で作ったトレーディングカードを引き出物として配ります。
この際、事前に引き出物袋の中に仕込んでおきつつ、ビデオ上映後に、
「もう、みなさんの袋に入ってます」と伝える感じです。

この企画の良き点は、
・やたらクオリティ高い写真で笑えるが、まったく要らない感
・カードは複数パターン用意しておき、周囲の人と比べたくなる感
・新郎新婦にしてみると、結婚の思い出写真が大量に撮ってもらえるラッキー
・写真撮影に両親を呼ぶと、さらに思い出に残ってよし
などなど、1度で何粒も美味しい企画です。

あまりに受けが良いゆえに、すでに4度企画を使い回してしまいましたので、
そこはちょっと反省しています。ただ悩ましいことに、僕は常に新しい企画に
チャレンジしたいものの、クライアントである新郎新婦にとっては一生に一度なので、
新しすぎる必要がないという所ですね。

という訳で、長くなりましたが、寿ビデオを作ると、
誰かのために映像を作る喜びという原点に立ち戻ることができ、
とてもおすすめです。という話でした。

そして、4回しか投稿できませんでしたが、私、中川のコラムは、
本日が最終回になります。次回からは、直属の上司であり、大先輩の阿部光史CDです。
10年以上書いてないと仰っていたので、たくさん書くことが溜まっていると
思われます。みなさま、お楽しみに。読んでいただき、ありがとうございました!

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