リレーコラムについて

屁の2

古川雅之

「関西のいちびり大臣」こと、電通関西の古川雅之です。
二日目、よろしくお願いします。

児島令子先輩からいただいた大事なバトンですから……(フリ)

ナイーブな話なので
詳しくは書けないんですが、
もうずいぶん前、とある会社で、とあることがありました。

オブラートに包んで言うと、

(オブ)(オブ)(オブ)(オブ)(オブ)
(オブ) 会社に置いてるお金が (ラート)
(オブ) ちょくちょくなくなる (ラート)
(オブ) という事件です。  (ラート)
(ラート)(ラート)(ラート)(ラート)

※知り合いから聞いた実話です。

とある制作ルーム(例)みたいなところで
置いていた制作準備金(仮)のようなものが、
「ん? なんか減ってない?」「あれ? なくなってない?」
みたいな感じのことがちょくちょくあったらしいんです。
初めは何かの勘違いかと思ってたスタッフたちも、
何度かそういうことがあって、これはいよいよおかしくないか?
ということで上司に相談しました。
それは大変だと言うことで、
上司は早速ひとりひとりにヒアリングをします。
しかし、みんなに聞いて回っても何も分からない。
それからピタリとそういうことがなくなる。
そして忘れた頃にまた起こる。
という繰り返しだったとか。

業を煮やした上司は、上役と相談し、
その部屋にビデオカメラを設置することにしました。
すると・・・ついに映ってしまったんです。
Aがくすねている現場がバッチリと。
ついに犯人が分かってしまったショックと、
やっと分かったぞ! の安堵とで、複雑な気持ちだったと言います。
しかし、これはもう仕方がありません。
上役とAの直属である上司との二人で、Aを呼び出しました。

役員室です。
Aは何事かと少し緊張しています。
上役が物腰柔らかく、しかし単刀直入に口火を切ります。
「例の部屋でちょくちょくお金がなくなってる件だけど、何か知らないかな」
Aは「まったく知らないです、分からないです」とシラを切ります。
「本当に知らないか。話せることがあったら話して欲しい」
あくまでも穏便に話を進めたい上司たち。
しかしAは知らないの一点張り。
上役と上司の二人は致し方なしと目を見合わせ、
上司はおもむろにノートPCを開き、
「あのな、ちょっとそういうことが続いてたんで、悪いけどカメラで録画してたんや」
まだ表情を変えないA。
「しゃあないな、これを見てもらおうか」と上役。
上役が上司の目を見て、小さく頷きます。
上司「はい。では・・」

カチカチッ

カチ

動画ファイルが開かれ、再生ボタンが押されました。
そこにはお金をネコババするAの姿がバッチリ。
それを見たA。

 

ぶーーーっ

 

座ってた椅子の布が破れるかってゆうぐらい
めちゃくちゃ大きな屁をこいたらしいんです。

しかし、もちろんその状況下でその屁が笑いを誘うこともなく、
屁をこいた本人も含め、そこにいた3人の誰も何も反応することもしなかった。
役員室。身じろぎもしない3人。
こかれた巨屁は、その部屋の中に余韻だけを残し
長ーーーい沈黙の中をただ漂い、溶けていったと聞きました。

人間、切羽詰まると屁をこくのか・・・・・。

では、また明日。

古川雅之の過去のコラム一覧

5398 2022.11.18 3度目のお手紙
5397 2022.11.17 耳で集めた実話集
5396 2022.11.16 屁の話は2回まで
5395 2022.11.15 屁の2
5394 2022.11.14 屁の1
NO
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5793 2024.11.05 御倉直文 コピーと短歌は似ているか?違うか?
5792 2024.11.04 御倉直文 短歌、はじめました。
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