リレーコラムについて

新しい感覚(整え土いじり)

梅田大輔

こんにちは。
2002年入会の梅田大輔です。
年齢はもうすぐ50で、
神奈川県の自宅を仕事場にしている
コピーライターです。

ほんの4.5畳分ほどの小さい庭が自宅にあります。
最近、その狭い空間が自分でも不思議なほど好きになっていて、
近所の花やさんで1ヶ月に2回くらい、
数種類の花を、10〜15ポットくらい買ってきて、
それを鉢に寄せ植えて過ごします。

背の高いものと低いものを合わせたり、
気持ちいい色の組み合わせを探したり、
数ヶ月よく頑張って咲いて、枯れはじめたものを抜いたり、
中途半端に背丈が伸びたものを短く切り戻したり、
古参ながらまだいい緑をしているものは
花のある新人と同じ鉢に植え直したり、
そんなことをわさわさっとやっているのが楽しいのです。

小さい花が私は好きみたいで、あまり大きい花はありません。
イチゴの葉っぱなども荒っぽくわさわさしています。
花の名前を覚えられないので言えませんが、
買いやすい価格の花がメインで、ときどき、旬の変わり者を突っ込むくらい。
たとえば黄色いミニバラを小さな鉢に単独で植えて、
それをわさわさした草花の鉢たちのセンターあたりに置くと、
視線を一気にもっていくスター感があって「すごっ」と思います。

寄せ植えたいくつもの鉢を並べ替えるのも楽しいです。
庭の隅に、植えて十数年になる枝垂れ梅の木があるのですが、
そのまわりにできる小さな木陰スペースで、
この鉢を右奥に持っていこうか、あの鉢を左手前に置こうか、
などと、しっくりくる場所を探して鉢を移動して楽しみます。

畳一畳分くらいは畑にしていて、
きゅうりやピーマンなどを植えています。
この時期は若い葉を食べる小さいバッタも跳び始めますが、
カマキリやトカゲもそれを狙って歩いているのが見えます。
抜いた草花や落とした枝をそのまま積んでいる場所もはじのほうにあって、
めくると小さな虫や菌が分解を進めています。
土のなかの栄養や微生物が空っぽになった感じがすると肥料を足したり。
園芸は土マネジメントがポイントなのかもなあと地中を空想したり。

ちょっと園芸人ふうに言いましたが、
ただ、リモートミーティング、リモート取材、リモート授業、
コピーを複数考えたり、長めのステートメントを書いたり、
そんなPC作業の合間の、20分ほどの小さな休息時間の話でした。
たぶん、数年間のコロナ禍、打ち合わせへの交通移動や飲み会も減ってきた頃からの、
なにか脳をゆさぶるひとときがないとやっていられないぞと、
心身が懸命に見つけた習慣なのではないかと思います。

しっくりくる花々の位置が定まった庭をぼーっと眺めていると、
サウナで言う「ととのう」感さえあります。
部屋の模様替えをよくする人はこういう感覚なのかなあ。
脳のなかのなにかを耕したり、風を送ったりしている気がします。
いいコピーも咲くといいです。

新しい感覚(整え土いじり)
終わり

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