東京で名古屋の宣伝してすみません その1
◆このリレーコラムの目的
来年のたぶん秋頃に開催されるコピーライターズクラブ名古屋賞(以下、CCN賞)の公開審査会で「TCCのリレーコラムがきっかけで観に来ました」とこれを読んでいるあなたに声を掛けてもらうこと(願望)
◆CCNって?
CCNは、名古屋を中心に全国のコピーライターや制作者が集う団体です。CCN賞の募集・審査・年鑑制作をはじめ、交流の場の提供、情報の発信などを行っています。(CCN公式サイトより)
◆本文
「CCN賞の公開審査会って、知ってる?」
東京で同僚や後輩に尋ねると「うーん、知らないなぁ」という返事が。その度に私は、CCN賞の公開審査会ってめちゃくちゃ勉強になるよ!と熱弁している。
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私は岐阜生まれの名古屋育ち。名古屋芸術大学に5年通い(就職浪人した)、新卒で名古屋の老舗デザインプロダクション・山崎デザイン事務所にコピーライターとして入社。3年後、おなじく名古屋のプロダクション・たきC1(現:TAKI iC)に転職した。
今は東急エージェンシーという東京の広告代理店に所属しているけれど、コピーライター人生の半分ちょっとを名古屋で過ごした。
そんな私にとって、コピーライターズクラブ名古屋の存在はとてつもなく大きなものだった。
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はじめてCCNの公開審査会に行ったのは、忘れもしない、コピーライターになる前の大学4年生の頃。当時通っていた宣伝会議さんのコピーライター養成講座でCCNの存在を知った。
ふむ。審査員たちがコピーの審査をしているところを見られるのか。事前登録すれば、コピーライターに限らず誰でも無料で参加できるらしい。ということは、コピーライターになりたいけど内定をひとつももらえずマジでどうしようと頭を抱えている学生の私でも参加できるのか。ふむふむ。
でもなぁ、知り合いいないからボッチ参戦だし。人が多い場所って苦手だし…。
参加するにはとても勇気が必要だった。だけど、コピーライターになれる気配がまったくなかった私は藁にもすがる思いで、知らない大人たちの波に飛び込んでいった。
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旧電通名古屋ビル(当時の審査会場)のワンフロアの床に、びっちりと並ぶポスターや新聞広告。隣の部屋には大きめのモニターが置かれ、テレビCMが流れていた。
コロナウイルスを知らない当時の人たちは、ぎゅうぎゅう密になって、モニターを見つめていた。いい大人たちがめっちゃ真剣な眼差し。
うわぁ。クリエイターっぽい人がいっぱいいる。やさしそうな人。オシャレな人。ちょっとこわそうな人。親戚のおじさんっぽい人、などなど。これが広告業界かぁ〜。
心細さを抱えながら、こそこそと応募作品を見てまわった。
どのコピーが良いとか悪いとか、まったく分からなかった。ただただ、広告業界の雰囲気をじんわりと嗅いでいるようなひとときだった。
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その後、世界の山ちゃんに会場を移し、審査結果発表が行われた。ボッチ感が出ないように、自分の居場所を確保することで精一杯だった。
二次会のバーで、ようやくチャンスがやってくる。参加人数が絞られ、プロのコピーライターに話しかけてもよさそうな空気を感じた。
よし。やさしそうな人がいたので、思いきって声を掛けた。どうやったらコピーライターになれるのか。コピーライターってどんな仕事なのか。
コピー講座で考えたコピーなどをまとめた手づくりの作品ファイルも見てもらった。「おもしろいこと考えてるね」と褒めてくれた。たどたどしい私の話を、びっくりするくらい親身になって聞いてくれた。
コピーライターっていい人なんだな、と思った。
(ちょっと前に進めそうかも)
収穫もあったし、そろそろ帰ろうとCCN運営委員の方にお会計をしようとすると「へぇ、大学生なんだ?来てくれてありがとう。お金は大丈夫だよ。また来てね」。ニコニコと手を振ってくれた。
コピーライター、超絶やさしい集団じゃん!
ホクホクした気持ちで終電に飛び乗った。
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数日後、作品ファイルを見てくれた「やさしそうな人」からもらった名刺とコピー年鑑を照らし合わせて、私はひっくり返った。玉山貴康さん。ひぇっ!このコピー、知ってる。こっちも知ってる。TCC賞も獲られている有名コピーライターさんじゃん。
なにも知らない学生でマジでよかった…。知ってたら、あんな手づくりファイルなんて見せられなかったし。
コピーライター11年目の今でも、玉山さんとの交流は続いている。
つづく
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