リレーコラムについて

流れでTCC会員になった男②

盛田真介

ぼくは

TCCを知らないまま、

TCCに応募し、

TCC会員になりました。

 

TCC年鑑を読むようになったのはそれから。

 

間違った順序だと思いますが、

それゆえにこんな自分が新人賞を受賞したことの罪の重さや

「知らなかった」ということの恥ずかしさが

あとからあとから分かってきました。

 

新人歓迎会や授賞式にいくと、

電通や博報堂という都市伝説で聞いたことのある会社の

キラキラした方々がたくさんいました。

 

話を聞いていても、苦手だった英語のリスニングぐらい

意味がわかりませんでした。

 

そして、明らかにすごそうな数十名と

「同期」という括りに入れられました。

 

 

薄々は気づきはじめていましたが、

完全に確信しました。

 

 

・・・オレ、やってもうた。

 

 

そもそも。

そこにいた人たちと自分は

顔つきからして違いました。

 

ものすごく努力して、悔しい思いもいっぱいして、

今日このハレの日を迎えた人たちと、

たいした努力も挫折もせず、

運だけでのほほんとこの場にきた人間の差。

 

同じTCC新人賞という実績は掲げているけど、

獲るべくして獲った人と

まったく実力が伴っていない人間の差。

 

あのとき覚えた「自分の居場所じゃない」感は忘れられません。

結局、ぼくは授賞式の途中で会場を抜け出し、

大学の友人が呑んでいる居心地のいい席に合流しました。

 

 

でも、翌日。

 

関西に帰る新幹線で、

不思議とこんなことを考えてました。

 

「いつかもう一度、あの授賞式の場に戻りたい」。

 

完全に運だけで受賞したけど、次は実力で受賞できるようになりたい。

あの会場にいた人たちと、本当の意味で肩を並べたい。

TCC会員というステータスにふさわしいコピーライターになりたい。

 

なんとも身の程知らずな野望ですが、

「コピーライターという肩書きで勝負する」

と決意をしたのは、このときでした(遅いわ)。

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