節目節目のコピー
28歳でコピーライターになって、転職や転勤も経験しながら、
いろんなクライアントの仕事をする機会に恵まれてきました。
たまに昔のデータを整理していると、
「こんなコピー書いたっけ?」と面食らうこともあります。
狙いすぎているなとか、もっと短くできるなとか、意外といいコピーかもとか。
自分で書いたはずのコピーなのに、新鮮な目で見返したりします。
そんな忘れっぽい僕ですが、節目節目のコピーはよく覚えています。
「火をともすだけが、爪じゃない。(宝くじ・スクラッチ)」
コピーライターという職業もよく知らず、興味本位で宣伝会議賞に
応募した時に書いたコピーです。生まれて初めて書いたコピーです。
上手いこと言えた!グランプリ取れちゃうかも!と、ひとり舞い上がって
ドキドキしたのを昨日のことのように覚えています。
結果は1次通過でしたが、コピーライター養成講座を受講しよう、
と決意するきっかけになりました。
「カルピスの白きに梅雨の中休み」
コピーライター養成講座の第1回目の課題(何か商品名を入れた俳句)です。
眞木準さんからのお題でした。TCC年鑑などで知って憧れの存在だった眞木さんから
金の鉛筆を受け取った時の、手のちいさな顫えや耳たぶの火照った感覚を
今もありありと思い起こすことができます。
そこから僕の中でのささやかな快進撃が始まり、その期で最多の金の鉛筆を
もらうことができ、フリーターからコピーライターへ転身する道が拓けました。
「先輩の背中を見て学ぶ。そんなヒマがあったらすぐに訊け。(大谷製鉄)」
TCC新人賞を受賞したコピーです。製鉄会社の新卒採用向けのコピーで、
実際の社員さんの声をもとに書きました。
コピーが書けた瞬間、今年こそ新人賞行けるかも!と直感し、
変な昂揚感で急にお腹の具合が悪くなったのをおぼろげに覚えています。
それまでなかなか受賞できず「TCC賞なんて」とスネていた時期もありましたが、
なんだかんだ11年間、毎年応募し続けて良かったです。
ちなみに今週土曜(4月16日)は、HCC (北陸コピーライターズクラブ)賞の審査会です。
特別審査員は古川雅之さんです!
年内にはHCC年鑑も発売予定ですので、見ていただけたら嬉しいです。
次のリレーコラムは、HCC会長にしてワザナカ代表・宮保真さんにバトンを渡します。
快諾ありがとうございます!