職場怪談① ~底なし交差点~
それは10年ほど前。
クライアントの行き帰り
何百回と通った交差点を
渡っているときのことです。
地面がグズグズと
沈み込んでいくような感覚に
襲われました。
「ちょっと、待ってください!!」
必死に呼び止めた私が目にしたのは
振り返った先輩たちの驚愕の表情。
「お、おまえ、小さくなってない?」
恐怖に足がすくみました。
立ち止まっても
さらに強まる足元の違和感。
うわ~
ヤダなァ~
恐々視線を落とすと
私が通った後に黒い塊がボロボロと
落ちているではありませんか。
それは、加水分解して
崩れ落ちた靴のヒール。
一歩踏み出す度に崩壊は進み
右足が1㎝…
左足が1㎝…
横断歩道を渡りきるころには、
10㎝ほど背が低くなっていました。
ほんとにあるんですねー
こういうことって…
誰もいなくなった交差点には
謎の黒い塊だけが残り、
後から歩いて来た人が恐怖したとか、しないとか。
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