言葉オブザイヤー@新宿ゴールデン街
三島さんからバトンをいただいた、
電通の長谷川輝波(長谷川きなみ)と申します。
「鳥肌が立つ確定申告がある」
今年、ヘラルボニーという企業のコピーで新人賞をいただきました。
初めてのリレーコラム。
せっかくなので、言葉にまつわることを書きたいなぁ・・・と思い、
超個人的・出会えてよかった言葉オブザイヤー(まだ2024年はじまったばかりですが)
をご紹介していこうと思います。
わたしは、東京の北端にある「赤羽」という街で生まれ育ちました。
小学校はせんべろ街で、植え込みで酔って寝ているおじさんを横目に登下校をする。
そんな幼少期のせいか、この歳になっても、
猫の額ほどの広さの居酒屋がひしめき合う街に吸い寄せられるのです。
狭い居酒屋の唯一いいところを挙げるとしたら。
隣の人と肩が触れ合うほど近くでお酒を飲めるので、
(お酒の力も借りながら)普段伝えたり、相談できないようなことも、
ぽろっと口から出てしまう、そんなところだと思います。
先週いつものごとく、
新宿ゴールデン街の狭いスナックで、
ハイボールを片手に友人に相談事をしていました。
自分はかなりシャイだ。言葉にも臆病だ。
だから、誰かを遊びや食事に誘ったりできない。
誰かに面と向かって本心を伝えられない。
そう伝えると、友人はこう言ってくれた。
「本音を伝えることが怖いと思ってるのかもしれないけど、
想いを伝えないことの方がよっぽどリスクだと思うんだよね。」
なるほど。
生まれてから30年ずっとシャイだったわたしには、痺れるものがあった。
思わず、手にしていたハイボールを一気に飲み干した。笑
たしかに思い返せば、仕事でもそう思う瞬間がありました。
いつもコピーに自信がないわたしは、
50案書いたら、本当に自信のある20案しか先輩に見せることができない。
残りの30案が印刷されたコピー用紙は、こっそり自分のリュックの中に隠していた。
リュックの中は、見捨てられたコピーの墓地になっていた。
ある時、先輩から
「いいと思うものも、悪いと思うものも全部見せて。」と言われて、
「はいぃぃ・・・(小声)」と言いながら、
考えてきた全案を机に並べた。
すると、その先輩はいつもだったらリュックに送り込まれていたであろう
自信のないコピーを選んでくれた。
「想いを伝えないってリスクだ。」
その時の自分もそう感じた気がする。
昨日ちょうど、三島さんの新著が家に届きました。
普段は本に書き込みをしない主義なのですが、
パンチワードの連続で、すでに本の中がマーカーだらけです。
三島さん、素敵な本を書いてくださり、ありがとうございます。
想いを伝える1年にします。
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