リレーコラムについて

読むとみるみるコピーが書けなくなるコラム③と、出版予告。

児島令子

いきなりですが、12月下旬に「レイコの出版記念ちゃんねる!」というYouTubeチャンネル開設することになりまして、スパチャ募集……いや、開設はしないか。でも本は出版されます。詳しくはこのコラムの最後をぜひ読んでね。今日は、本のデザインを誰がやってるのか?も書いています。

 

まずは、読むとコピーが書けなくなる怖いコラムの3回目です。昨日は、コピーに人生というワードを使っていいのか?というなかなかの大テーマだったので、今日は軽く小ネタでいきましょう。これです。

「~のために~ができること」構文

誰が使い出したが知らないけれど、企業広告で使われがちな構文です。企業広告風の商品広告なんかでも使われます。「Aのために、Bができること」で、Aにはターゲットや対象テーマが入り、Bには企業名や商品名が入ります。

たとえば、「働くお母さんのために、TCC食品ができること。」とか、「愛する地球のために、TCC自動車ができること。」とかね。

なんで「できること」で止めるのよ。なんでそこで一旦ためるのよ。いや、気持ちはわかりますよ気持ちは。こういう書き方って、なんか課題と真摯に向きあってる感じします。使いたくなりますよね。でもね、書き方で感じさせるんじゃなくて、書く視点とか、書く切り口とか、書く内容でそう感じさせたいですよね。

別にこの表現が悪いわけじゃないんです。でもこういう構文が怖いのは、書けた気になってしまうこと。そこで思考停止してしまうこと。どんな仕事がきても、この表現使えるし。でもそれはオーダーメイドのコピーじゃなく、既製品のコピー。

とくに若い人は、最初からこういうのを無意識に使ってしまわず。無骨でもいいから、自分の言葉で、自分の構文で、書くことをトライした方がいいです。安易に無意識に使ってると、いつのまにか、無意識の塊みたいなコピーを、無意識に書いちゃう人になってしまうかも。怖いことです。

さらにこの構文に、コラム1回目で話した「私たち問題」が合体することもあります。「働くお母さんのために、私たちTCC食品ができること。」うわあ…どんどん居心地悪くなる…(笑)いや、それは私だけか。

そんなことを言ってる私も、じつはこの構文使ったことあります。キャッチで。それは、

「ひとりで生きるお嬢様のためにエアコンができること。ピンクになること。」

はい、確信犯です、全く真摯に見えません。当時のナショナルには本当にピンクのエアコンがあったのです。企業としてはお客さまのために真面目に作ったものです。これは真摯に伝えることなのか?私は悩んで迷って、こういうライティングに至りました。間違ってはいなかったと信じています。はい。

こんなピンクのエアコンのコピーも載ってるコピー本が出版されますよと、次のコーナーへ、シームレスに繋げたいと思います。

 

◎ここから出版予告です。

私のコピーの本が、パイ インターナショナルから12月23日発売予定です。タイトルは、「私、誰の人生もうらやましくないわ。」で、サブタイトルが「児島令子コピー集め」。まだちょっと先ですが、その折はよろしくお願いします。

今日も内容について少しお話します。コピーだけの本で、広告画像は無し。文字しかないけど、文字しかないから、文字が語りかける本になってます。というかなる予定。いまやってる真っ最中。

装丁&本文のデザインは、いま注目の佐々木俊さん(AYOND)です。表紙もカバーも本文も、すべてことばを主役にビジュアルにしたデザインになっていて、これまでのコピー本とはちょっと違う感じ?私も完成が楽しみです!

次に、今日は巻末特集のコピーのことをお話します。2001年に資生堂のコロンブレイクの新発売キャンペーンで、「女の子市民憲章」というコンテンツを作りました。前文と16条からなる本格的憲章です。

たとえば、第二条「女の子市民の敵は、女の子大衆だ。」第三条「女の子市民は、一生涯女の子市民だ。」などなど。その条文ごとの説明文もすべて掲載。コピー年鑑には、ほんのほんの一部しか載ってません。

この憲章は、当時500冊限定で作ったシリアルナンバー付きの「女の子市民手帳」なるもの中に、収録されていました。この赤い手帳、もし持ってる人いたら、すごいレア!

では、今日はこの辺で。またあした。たぶん。。。。

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