がんばれ、ノザル!
がんばれ、ノザル!
野猿、ではない。
スペインを一周するロードレース、ヴェルタ・エスパーニャに出走している
選手の名前だ。オンセというチームで走っている。
ノザルがここまで活躍するなんて、誰が予想できただろうか。
自転車のロードレースはチーム競技だ。
各チーム、たったひとりのエースを勝たせるためにチームの残りの選手は走っている。
ノザルもそんなアシスト選手の一人だ。極端に言えば、エースのための捨て駒だ。
ところがこのノザル、誰もが予想すらしなかった大活躍。
序盤のステージで首位に立ったかと思うと、意外や意外、個人タイムトライアルで
なんとトップタイムをたたき出し、総合トップからすべり落ちるどころか、
さらに2位を引き離してしまった。
そのままトップを走ることに専念できればいいのだが、チーム競技の辛さ。
アシスト選手であるノザルはエースのために自分を犠牲にして走らなくてはならない。
事実、昨日のレースでは(スカパーの録画ですが)リーダージャージを着ながら
集団を引いて逃げをつぶしたり、自分のチームのエースの風よけになったりと、
チームのために献身的に働いた。
そんなノザルを見て誰もが「ああ、終わったな」と思った。
なんあにチームのために動いていては、首位をキープする力が残っているはずがない。。
ところがノザル、あれほどチームのために働き続けたにもかかわらず、
首位をキープしてしまった。
もっとも、ゴールしたときの表情は疲れきっていて疲労困憊をとおりこして、
自分の疲労に憔悴しきった顔であったが。
あまりうまい例えではないけれど、ジャイアンツの川相がチームのために献身的に
送りバントをしながら、ホームラン王争いのトップを走っているようなものとも言える。
ノザルのがんばりに心が動かされるのは、タレントに恵まれたスター選手でなく、
ごく普通の選手でさえも、輝くチャンスはあるのだ、と伝えてくれるところにある。
それは、私のような、普通のコピーライターにとても勇気をくれる。
今日もノザルは走る。ひょっとするともうトップをキープできないかもしれない。
自分のために走る力は残っていないかもしれない。でも僕はノザルを応援する。
がんばれ、ノザル!
そんなノザルの活躍はスカパーのJスポーツ3で今夜も見られます。
海外サッカーを見るつもりでスカパーに入った方ならたぶん見られます。
自転車ロードレースの面白さにふれてみませんか。
一週間、書かせていただきありがとうございました。
月曜からは博報堂関西支社の岩橋孝司さんにお願いしました。
何を書いてくれるか、私もすっごい楽しみでなりません。
では、岩橋さん、よろしくお願いします。