リレーコラムについて

ハイヒールでの走り方

大杉陽子

ぎゃん!
尊敬する石田大先輩から、
「ブースから顔は見えているのに内線」攻撃で
ご指名をいただいた大広の大杉です。
大有名人の福本さん、超有名人の石田さんの後で、
「誰だよこいつ〜」とお思いの方もいるでしょうが、
すみません、私にもどうにもならないのです。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。

実は私、大広に入る前は、某代理店で営業をしていました。
新入社員ではじめて配属された先は、
洋酒会社担当の超ドメスティックなグループ。
そこで初の女性営業として迎え入れられた私は、
それはもう可愛がられ、たくましく成長しました。

毎晩開催される夜の部会に、疑う余地すらありません。
ウイスキーを水割りで飲むと、「ロックで飲め!」とすごまれました。
銀座や六本木のバブリーなお店にも、
あちこち連れていってもらいました。
クライアントとチークダンスもしました。
配属二日目くらいで、上司は私に仕事を残し、
愛人とダイアナロスのコンサートに出かけました。
「大杉は“色気で攻めるオンナ営業”になるのか、
それとも“知性で売るオンナ営業”になるのか、どっちなんだ」
と部長に真剣に問われ、
自分の行き場のなさに途方にくれたこともありました。

…今となってはいい思い出です。
ほんと、あの時があって、今の自分があるんだなと思います。
営業時代に未練はありませんが、
ひとつだけ、これは忘れたらもったいないなぁと思うものがあります。
それは、「ハイヒールでの走り方」。
もうハイヒールを履くこともなくなってしまったので、
ここに、記しておくことにします。

ハイヒールでの走り方は、普通の走り方とは根本的に、違います。
とにかく、ハイヒールでは地面が蹴れません。
角度的に無理だし、下手に蹴ってしまうと、
後ろにポーンと脱げてしまいます。
ハイヒールで走るには、とにかくバランス感覚が必要です。
上体をぶらさず一定にし、ひたすら足を前に前に運ぶこと。
つまり絵で描くと、人間の下半身が
うずをまいてるような感じになります。
回転を早めれば早めるほど、速く走れます。
忍者の走りに、似ているかも知れません。

どうでしょう?
男性のみなさんもちょっと試してみたくなったでしょ?

明日は、私が会員になってはじめて知った、
TCCの恐るべし秘密について書きたいと思います。

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