リレーコラムについて

「真祐子」という名前です。

笹島真祐子

「笹島」には、飽きました。
きょうは、名前についての体験談を書かせていただきたいと思います。
・・・なんか、もう、コラムじゃないですね。体験談だもん。

私の名前は、真祐子といいます。
「真」は名前で使われる漢字でベスト10入りする勢いの字ですよね。
「祐」という字も、ものすごくラッキーという意味があり、名前でよく使われている字です。
「真祐子」とは、ほんとに幸運な子・・・みたいな意味なんでしょうか。いい名前じゃん!と、つけてくれた親の愛情に感謝したくなるところですが、私はこの名前がアダとなり、就職試験に玉砕したことがあるのです。

それは、占いの本を専門に出している出版社でした。
会社の名前はもう、忘れてしまいましたが、字画の多い複雑な漢字が連なった、あやしげな社名でありました。
すごい、あやしい。おもしろそう!と思い、就職試験に臨んでみました。
・・・暇だったんだなあ、この頃も。
一時試験は作文と一般教養試験で、内容は忘れましたが、わりとまっとうなものでした。
なんだ、普通じゃん。後日、一次通過の知らせと二次面接の通知が届きました。
そこに、あった文字に私の心は躍りました。
二次面接に来る前に、至急、「母子手帳」と「へその緒」を会社まで郵送するように、とのこと。
就職試験では聞いたことのない展開です。
さっそく、仏壇の下にしまってあったへその緒を封筒につめ、母子手帳とともに速達で送り、
どきどきしながら二次面接に臨みました。
出てきたのは、占いの大先生と呼ばれる、社長。
「母子手帳」と「へその緒」を材料に、何を言ってくれるのかすごく期待していたのですが、
面接の方はあっさりと普通に終わってしまい、後日、不採用通知が届きました。
理由は、「名前の字画が非常に悪く、長い目で見ても成功の可能性が薄いため・・・」、とありました。
いったい、母子手帳とへその緒の意味はなんだったのでしょう。計り知れない、大きな謎。
時代はバブル崩壊直後、大卒女子の就職はほんとうに厳しいときでしたので、不採用通知が届くのなんて日常茶飯事。受かっても困る会社でしたし、ちっとも悔しくはなかったのですが、
なんでしょう、この、喪失感。
人生を、人間を、まるごと否定された感じ。
かなり凹みましたよ、トホホホ。
面白半分に、就職試験に臨むのはやめようと、学んだ出来事でした。

しかし、「母子手帳」と「へその緒」は何に使われたのでしょうか。思い当たる方がいらしたら、大広ブランドデザインの笹島までご一報ください。・・・いないか。

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