「ナビータ」
西畑幸一郎
はじめまして
明石 靖彦さんからバトンを引き継ぎました西畑です。
今週一週間、すみませんがお付き合いください。
人生のピークってありますよね?
もう過ぎちゃった人、今からの人、真っ只中の人、色々だと思いますが
僕の場合、中学1年の夏から高校1年の夏までがそうだった様な気がします。
かなり早いピークです、もう抜け殻です。終わっちゃってるのかも。(笑)
その頃のエピソードをご紹介して行こうと思います。
確か中1の夏の出来事だったと思うのですが、その頃僕らにはアイドルがいました。
リエちゃんといいます、クラスというより全校的なアイドルでした。
体育の時間、男子は校庭でバスケ、女子はプールと言うシチュエーション。
で当然、僕と友人の2人はいかにして女子プールの授業を覗き、リエちゃんの
美しい水着姿を目に焼きつけられるのかという事が、その1時間の命題でした。
1回目のアタック、それたボールを追うふりをしてプールへと近づきます。
「リエちゃん発見!大体の位置を捕捉!」
2回目のアタック、「くしくもリエちゃんは対岸のプールサイド!」再度タイミングを計り
3回目のアタック。見事にリエちゃんは数メートル先のプールサイドにいます。
僕らは、わざとらしくフェンスに当たったボールを取りに行くふりをしながら近づきます。
フェンスにかぶり付く僕ら、リエちゃんが僕らに気づき、ヴィーナスの様な笑顔で近づいてきます。
「あんた達何しょうと〜さっきから、わざとらしかぁ〜。」確かそんな事を言ってた様な気がします。
僕らは上の空、どんな会話を交わしたのかまったく覚えてません。ただこの時が永遠に続けばいいと・・・。
僕らの視線がリエちゃんの顔から胸元へと、そして色白で美しい大腿部へと移って行ったその時!
僕らの六つの目は「異物感」をぼんやりと、しかし確実に感じ取っていました。
心のどこかで「そんな事はない!あるはずがない!」そんな叫びが・・・。
リエちゃんの色白な大腿部に、ヒョッコリ顔を出した1本の恥ずかしいお毛けが!!
「僕らのヴィーナスに毛がっ!!」
夏の乾いた風にそよいでいました。
竹刀の炸裂音とともに後頭部に激痛を感じ、僕ら3人は先生に引きずられながら
校庭へと連れ戻されていきました。リエちゃんがどんな表情をしていたのか、僕らが
最後の言葉をなんと発したのか、まったく記憶がありません。
次の日、僕らは誰から声をかけるでもなく、放課後、サッカー部の部室の裏に集まりました。
数時間経っても、昨日の出来事を誰も詳しく語りませんでした。
ただ、僕らの中だけのリエちゃんのあだ名が決まりました。
「風のいたずら・ナビータ。」
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