リレーコラムについて

遠い記憶の中の人々 “好きだった人”

髙橋稔

ボクが初めてトキメキらしいトキメキを感じたのは、
小学5年のときでした。
相手は、教育実習の先生。(なぜか保健の先生でした)
ちょうどそのとき、ボクは放課後遊んでいて、
遊具で指に大怪我をしました。
病院までついて行ってもらっている間、
幸せだったような気がします。
高校に入って、3回告白をしました。
最初は2年のときだったかなあ?
第2理科室の前に呼び出して、
「好きです、つきあってください」と言いました。
「好きな人がいます」という答えでした。
(同級生の中で、一番人気の子でした)
2回目は3年のとき、自転車置き場で告白しました。
答えをもらったかどうかは憶えていませんが、
ダメでした。(2年の子でした)
その直後の体育祭で、2、3年合同のフォークダンスがあり、
偶然にも自分の前にその子がきたところで終わりました。
退場行進中、手をつないで歩きました。(やっぱり気まずかった)
最後も3年のとき、また同級生の子です。
となりのクラスの子で、2クラス合体授業のときにその子の
クラスに入れるので、その子の席にこっそり、
ラブレターを挟んだ詩集(「ボクは12歳」)を置いておきました。
(「この詩集を読んでください。中のものも読んでください」のメッセージとともに)
しばらくして、ボクの教室で無造作に置かれたその詩集を見つけたときは、
ショックでした。(ボクよりうんと背の高い子でした)
その頃のボクは、典型的な告白の場面を演出しながら、
自分の勇気を試していたようです。
(まるでセブンのCMのように)
以来、恋の成就は社会人になるまでお預けでした。(告白もお預けでした)

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