水戸
タネ明かし、ってほどのことでもないですけれど。
僕は水戸で生れた。
厳密に言うと、その隣の勝田(現・ひたちなか市)という町だ。
ご存知の方はご存知だろうが、かなり田舎っぺーなところだ。
親父が県庁職員だったということもあり、高校を出るまで転居も転校も経験したことがなかった。
嫌いな場所ではなかった。でもずっと、はイヤだった。
今でも嫌いな場所ではない。むしろ年々好きになっている(まあ、帰るのは年2回ほどだが)。でも、自分の場所ではないような気がする。
上野駅の常磐線ホームでも、水戸の町に買い物に行っても、違和感というかヌチャとした異邦人感に苛まれる。これは年々増しているように思う。
むろん、東京でも大阪でも「自分は異邦人だ」と感じていたし、それはこれからも一生変わることはないだろう(京都はそれが顕著だった。やっぱり外から来て根を下ろすには難易度の高い場所である。とてもオモろいところだけど)。
でも、これらの町には心地よい異邦人感を感じる。
そして適度な距離感がある。刺激とスピードがある。
それに乗ってもいいし、乗らなくても誰も何も言わない。
いざとなれば、逃げも隠れもできる。
でしゃばりも、自己主張だってできる。
そういう意味で、僕という人間には合っているのかもしれない。
さて、あと何年ナニワにいるだろうか?
幼稚園に通う長女は、完全に大阪弁になった。
次女も上がればそうなるに違いない。
丸8年経っても大阪弁をうまく操れない(操らない)僕とは大違いだ。
妻には、最後は横浜という確固たるものがある(大阪も実は大好きなんですが)。
東京勤務にもどり(ひょっとしたら会社を辞めて)、まだ一度も住んだことない横浜の自宅マンションに暮らしたとしても、東京人、横浜人には絶対になれないし、やはりなろうとしないだろう。
日本人?まったくリアリティがありません。国際人?すいません、場違いです。
地球人?爆笑ですね。
もはや茨城県人でもない僕は、やはり異邦人が合っているのかもしれない。
今、全部読み返すと、「田舎モンで、嘘つきで、小心者で、場当たり的で、根無し草な僕」をPRしてどうすんじゃ!と、ただただ気恥ずかしくもなるのだけれど、まあ思いつくまま書いていたっらこうなった、ということでどうかご勘弁を。
きっと、次にお渡しする前原佳世子氏がピリッと流れを変えてくれると思いますので、皆様、そうぞ期待してやってください。
じゃ、前原、よろしくね。それでは。