リレーコラムについて

アイ アム チリドッグ

今江有希

今日のコラムもまったく広告に関係ないです。
よければ、読んでやってください。すこし長いですけど。

昨年もっとも驚いたというか、あっけに取られた話をひとつ。
その日は10時から打ち合わせに入って、終わったのが3時だったんです。
朝から何も食べていなかったので、私はかなりの飢餓状態になっていました。
フラフラした足取りで、そこからいちばん近い地下街へ行き、
ドトールコーヒーもどきのコーヒーショップに入ったんです。

カウンターにいた店長らしき、50歳くらいのおじさんに
最後の力をふりしぼって、メニューを指さして、オーダーしました。
「チリドッグとコーンスープください」。
すると、おじさんはたった一言。「スープない。」。
「あいにく品切れでございます」でもなく、
「スープは朝だけのメニューです」でもなく、
無表情で、「ない。」と。
想像もしなかったレスポンスに私の思考回路は混乱し、
「いや、あの、でも、メニューに…」とこちらの方がしどろもどろ。
それでも、おじさん、やっぱり「ない。」としか言わない。

怒るパワーも残っていないので、「じゃあ、ホットコーヒーで」と
私はあっさりメニューを変更。腹が減っては戦もできぬからして。
おじさんがパンを切ったり、ソーセージを用意しているので、
そのまま注文カウンターで待っていればいいのか、と思って立っていたら、
おじさんは、またまた仏頂面で「できたら呼ぶ。」。
でたー。またもやおじさん得意の翻訳ソフト式接客。
てにをは無視。敬語・丁寧語一切なし。
椅子に座って、もうオーダーキャンセルして帰ろうかな、などと
考えていたら、おじさんの声が店内に響き渡った。
「チリドッグ!」。

あのねぇ。「チリドッグをお待ちのお客さま」じゃなくて、
私は「チリドッグ」なんかい! どないなっとるねん。
食い意地がはっているので、キャンセルはせず
チリドッグをしっかり食べた、チリドッグ!こと本名・今江有希は、
満腹になったら、急に腹が立ってきたのです。
その後、床にシュガーとコーヒーホワイトをわざとこぼすという、
かなり子供な、かなりせこい仕返しをしてしまいました。

全国のみなさん、やっぱりコミュニケーションって大切でしょ?
言葉ひとつ、てにをはひとつが、どれほど大事か。
と、無理矢理広告チックなことに落として今日は終了します。

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