コピーライターのストレスと欠番年鑑(2001年)

何の脈絡もありませんが、最近読んでよかった本、とい

えば「オーデュポンの祈り」。「受けいれるしかねえ」

っていうばあさんの言葉が心に響きました。伊坂幸太郎

はいいですよね。「重力ピエロ」もよかったし、「陽気

なギヤングが〜」も。「チルドレン」はまだ読んでない

んですが、このコラムが終わったら、読もうかな。

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コピーライターなんか、もう、いいよ。

そう、思ったことはありますか。

ない!なんて人も、世の中には、やっぱりいるんでしょ

うね。松井秀喜が、もう野球なんていいよ、なんて思わ

ないくらいに、自然体で、コピーライターをやってゆけ

るくらいの人が。

コピーライターになって、毎年、律儀に、年鑑を買って

いた、私でしたが、ある年、もう年鑑もいいよ、なんて

思ったりしたのでした。

その年鑑は、『コピー年鑑2001』。

しばらく、買われることのなかった、欠番年鑑でした。

ど〜も、自分は、コピーライターには向いていないんじ

ゃないか。なんといっても、自分が納得できる仕事がで

きていない。仕事にカタルシスがない。自分のつくるも

のが、気持ちよくない。ストレスがたまって、充実感が

ない。こりゃ、職かえた方が、いいな、と素直に思った

のです。2000年頃から2001年頃ですね。

で、職を変えるといっても、編集者になるとか、ライタ

ーになるとか、大きな転身をはかろうとするわけでもな

く、単に、会社内で、マーケにでも行こうかな、なんて

程度。でも、きっと、それの方が、自分には合っている

気持ちのよい仕事ができるはずだ、と、まあなんの根拠

もなく考えたのでした。

コピーライターって、物事考えて整理して、美しくそれ

を気持ちのよい言葉に変換できて、それが、また、美し

く仕上がって、褒められて、喜ばれて、それで、はじめ

て、嬉しい商売じゃないかって、ずっと思っていました。

それが、なんか、思ったカンジに、できあがってくれな

いと、すべて、ストレスになっちゃう。う〜ん、なんで

だろう。

だから、その頃でた、2001年年鑑は、買う気になれず

はじめて、コレクションに穴を開けてしまったのでした。

その頃は、全然、コピーの勉強しないで、経営書みたい

のばっか買って読んでました。コンサルとか知のノウハ

ウ本とか。これが、結構、考え方が明解で、なにをすべ

きかのミッションとかそれに対する、技術的な話しが新

鮮で、逆に、広告の世界だけに、どっぷりつかっていた

僕には、考え方をかえるのによかったようです。

そんなあいだにも、大阪で、結婚することになり、ちょ

っと、生き方、というおおげさなものではなく、毎日の

暮らしかた、とかが少し変化していきました。

いろんな意味で、物事とか、人生とかに対する自分のス

タンスが、僕の知らぬあいだでいろいろと変化していた

ような気がします。

ちなみに、僕の奥さんの、名前は桂といいます。旧姓が

花木。宝塚みたいな名前です。で、僕と結婚して、碓井

桂になりました。ウスイ・カツラ、です。勇気があるも

んだと思いました。結構、ウスイって名前で、僕は、髪

の毛ウスイクン、とかいって、イジメられました。結婚

するとき、自分の名前がどうなるかというのは、女性に

とって、障害にはならないのでしょうか。結構、僕の奥

さんは、自分の名前も売り渡した、覚悟のきまったコピ

ーライターといえるのかもしれないと時々思います。

というわけで、今回は、年鑑の話といえるかどうか、微

妙なとこですが、買われなかった年鑑の話でした。

ちなみに、ストレス対処に、「爪もみ療法」という、オ

ススメの、療法があります。コピーライターなら、絶対

知っていて、損はしない療法です。両手の爪を、薬指以

外を、付け根あたりを10〜15秒ほど、少し痛いくらい

揉みます。理にもかなっていて、関連本も結構書店にで

ているので、興味のある方は、買ってみてください。い

わゆる、免疫に関する話で、ちょっとやったらやみつき

です。

あ、今は、2001年年鑑ももっています。やっぱり、な

いと不安で。知らないところで、かぶってたり、パクっ

てたりしたら、コピーライター失格の烙印おされそうで。

結構、営業とかからは、これまで、ディック・マードッ

クばりのカーフブランディング(子牛の焼き印押し)を

おされつづけてはいると思うのですが・・・。まあ、で

きる限りの努力は、藤波辰巳のおしりペロン攻撃の態度

で、お返ししようじゃないかと思っているワケです。