エガミの幻の食卓 その六
祭り、お正月、節句、運動会・・。
そうなると出てくる定番の祝い事料理っていうのが
地方には多々ある。
うちの島も例外ではなく、
けっこうたくさんあるのだが
子供らの大好物に自家製のようかんがあった。
通称「豆ようかん」。
すごく素朴な手作りのようかんである。
町の、端午の節句(子供の日)はご馳走を作るのだが
お重に詰めたご馳走を子供たちだけで持って出かけて
町の好きな場所で食べていい、という変わった風習があった。
その日は、オトナ抜きで、子供らだけがどこで食べてもいい。
小学生のエガミくんは友達とつどって
自分家の敷地の人目につかない場所でたべたり、公園で食べたり。
山の畑まで登って町と港を見おろしながら食べたり。
その日だけ、治外法権。完全放し飼いの日。
いまもやってるのかなあ。やってるといいんだけど。
この節句というとなぜか「豆ようかん」を思い出す。
幻の食卓といいながら、
これはきちんとレシピ通りに作れば
みなさんも食べられます。
出身地のホームページにあった作り方を載せておきます。
(奈良尾町ホームページより)
●材料:小豆300g 砂糖360g 塩小さじ1/2杯 小麦粉80g 片栗粉40g
●作り方:
1 小豆は洗って、鍋に入れ、小豆の約4倍の量の水を入れて煮る。沸騰したらお湯を捨てる。
2 1に同量の水を再び入れ、弱火で約1時間丁寧にアクを取りながら柔らかくなるまで煮る。
3 ゆであがった2をざるに上げ、ゆで汁からあんこをしぼり取る。
4 ボウルに3と砂糖、塩をよく混ぜ、あら熱をとってから小麦粉と片栗粉を混ぜて、流し缶に流す。
5 4を蒸し器で40〜50分程度蒸す。
6 5を冷まし、流し缶から出して切り分ける
ちなみに私は長崎の実家に年末に帰省したときは
お袋手製の豆ようかんを必ず食べている。
甘いものを売る店もない時代、
島の人が工夫して食べようとしたお菓子。
砂糖をすこし少なめにするとさっぱりとした味になります。
どうぞ。
さて、このコラムも今日で終わり。
書ききれなかった幻の食卓のメニューを。
以下すべて自家製、手作り。
・小さばの姿寿司
・ぶりのアラ煮(さっぱり味バージョン)
・極細麺皿うどん
・あおさの吸い物
・アラカブの味噌汁
・ごべ煮付け
・かんころ餅
・たくあん(ひなびたバージョン)
・祖母ちゃんカルピス
・にな貝の煮たもの
・蕗みそ
・塩くじら
・剣先烏賊刺し身
・うどん地獄炊き etc
あぁ、喰いてぇ。
【次週は我が元上司にて、居酒屋研究家でもある
加藤忠生さんにバトンタッチ。
カトさん、よろしくお願いしますね。】
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