広告以外の世界で、コピーやプランニングで人に喜ばれる話(その1)
武田斉紀
みなさんはじめまして。
今週このコラムを担当させていただく武田斉紀(たけだ よしのり)と申します。
先週の松木さんと新人賞同期です。自己紹介もおいおいさせていただきます。
私は今週1週間、タイトルにあるように、「広告以外でもコピーやプランニングの力で喜ばれる世界があるんです」というお話をしようと思います。
「たまには(あるいはそろそろ)広告以外の外の空気を吸ってみたい」という方はもちろん、「俺は広告に命かけてんだーっ!」という方にも、外海にもコピーやプランニングが力を発揮できる世界があるんだと知っていただければ嬉しいです。
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●私は、16年ほど株式会社リクルートに在籍し、途中10年ほど求人広告の制作ディレクターをしていました。この間、チャンスを得てTCC賞をいただいたのですが、現在は広告の世界から離れて暮らしています。でも、広告制作を通して得てきた「コピー」力や「プランニング」力は、今でも当時と変わらないくらい動員していて、お客様には(たぶん)心底喜ばれ、自分自身も満足のいく暮らしを送っています。
●2年前にリクルートを早期退職して、まず友人が始めたベンチャー企業の立上げを手伝いました。1年半ほどでメドもついたので昨年独立、会社を設立して1年余りになります。会社といっても今はほとんど個人で動いている状態ですが(今後もそうかもしれない)。
●名刺の肩書きは「コミュニケーションプランナー」。対企業向けに、A.社内コミュニケーションとB.社外コミュニケーションを活性化するためのコンサルティングを行っています。カタカナが長くてわかりにくいですね。ひと言で言うと、企業にとっての『らしさ』をうまく表現して、社内や社外に広めてあげるためのお手伝いです。少し「コピー」や「プランニング」に近づいてきました。
●企業の『らしさ』なんてあるの? という議論は延々とあるでしょう。ここでは一旦あるとしてください。特に経営者が創業者、オーナーの場合。彼(彼女)の人間としての個性が、良かれ悪しかれ、経営理念や方針に表れることが多いと考えます。
●実は、『らしさ』がきちんと表れている企業に私の出る幕はありません。世の中にとっても、きちんと正しく表れていればよい状態だと見ています。その企業の個性が自分に合わないと思えば、最初から門を叩かなければいい。あるいは取引しないとか、製品を買わないとか、自由に選択できるわけで。ところが「らしさ」がよくわからないから、入社してから後悔したり悩むことになるわけです。
●私はリクルートの制作時代に、多くの経営者の方にお会いしてきましたが、「自分の考え方をわかりやすく社員に伝えるのが上手な人は意外と少ない」ことに気づいていました。さらに、いわゆるサラリーマン経営者の場合、その人の個性だけで突っ走ることは稀で、「らしさ」を表現することはもっと難しい作業になっています。(実際私がどのように実現のお手伝いをしているかは、次回以降でお話します)
●『らしさ』は人間の個性にあたる企業の個性と考えています。なので、一貫しているほどお客様や関係する人たちから「あの会社はこんな会社だから、こういう場合も絶対こういう行動を取るよ」認められやすく、ブランド構築にもつながっていきます。一貫するためには、広報や宣伝はもちろん、社内組織、人事評価、教育、会議やイベント、商品企画、販促、営業活動などあらゆる場面で、『らしさ』ってどうあること?を考える必要があります。
●各々の場面で『らしさ』ってどうあること?を考えてあげるのが私にとってのプランニングです。そして、『らしさ』を経営理念や、コーポレートショルダーや、キャンペーンフレーズといった短い言葉。あるいは、会社案内や入社案内、企業理念集、広告宣伝、求人広告、事業コンセプト、採用時のコミュニケーションなどに落としてあげること。これが私の仕事です。
●説明が長くなってしまいました。
●こうしたサービスを提供してきてわかったのは、広告制作や、その後に経験したマーケティング事業の立上げなどで鍛えてきた私のコピーやプランニングで、経営者や社員が「すごいなあ、さすがプロだねえ」と大いに感動し、喜んでくださることでした。
●もし「あなたはクリエイターなの?」と聞かれたら、私はこう答えます。「コピーやプランニングはするけれど、それらはお客様の課題を解決して、最終的に喜んでもらうためのツールの一つでしかない」と。
(次回につづきます。次回はもっと具体的なお話をしますね)
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★9月に新刊を出しました。
「新スペシャリストになろう! -リクルート社員が会社を辞めても幸せになれる理由- 」(PHP研究所)
大手書店ではビジネス書コーナーで、話題の新刊として紹介され、アマゾンのベストビュアーから5つ★をいただいています。
ご関心あれば手にとってみてください。詳しいプロフィールも出ています。
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