振り込め!
振り込め詐欺って名前に新たに決まったオレオレ詐欺。被害総額とか新聞で見ると、スゲーッ!って思いますけど。すごさを実感したのは、会社の人と3人で飲んでたら、3人とも知り合いがオレオレ詐欺に遭ってたんです。オレオレ詐欺の話を肴に3人が集まったんじゃなくて、たまたまオレオレ詐欺の話をし出したら、みんな知り合いが被害に遭っていた。
僕の知り合いの話は、とてもオーソドックスなパターン。「A子だけどぉ」と娘のフリを装って、母親のいる自宅へ電話が鳴る。声色はもちろん違うし、ナンバーディスプレイに表示された携帯番号も娘のものとはちがう。母親はお年寄りと呼ぶにはまだ早い、初老の女性。まして娘と離れ離れになっているわけでなく、同じ屋根の下で暮らしている。それでもわが子の名を語られると、冷静な判断を失わせてしまうらしい。
「おうちに帰れなくなっちゃったー」。え?おうちに帰れない?娘は普通のOLで、電話があったのは午前11時頃。おうちに帰れないってどういうことなの?と本人に聞いてみたが、どういうつもりで犯人が言ったのかはわからないらしい。ただ、ここでひとつわかった。声の主が娘でないことを。娘は決して「おうち」などとお上品な言葉を使うお嬢さんじゃなかったのだ。
娘の元に電話したり、警察に届けるなどして事無きは得たようだ。ただ、母親は相当ショックを受けたらしい。もちろん娘は何も悪くないのだが、覚えのない罪悪感に胸を痛めた。
もう一人。会社の人の知り合いのほうの話。その家族は、週末の朝にときどき家族全員で朝マックを食べるらしいんですね。そんな、ある日曜の朝の話。
朝マックと言っても、全員が出かけるわけじゃなくて、テイクアウトで買ってきて食べるんだそうです。当番が決まっているのか定かではないですが、その日は中学生の長男が買出し係でした。4人分なのか5人分なのか、総計でも2000円ほどの買い物を終えて、少年は家路を急ぎました。
「すみませーん。まちがえましたー!」帰ろうとすると、一人の女性がそう声をかけてきた。渡すメニューがまちがっていたというのだ。「ああ、そうなの」と思い少年は袋を女性に渡す。何のメニューがまちがってたんだろ?エッグマックマフィンかな?そんなことを思いながら、待てど暮らせど女性は戻ってこない。どうやら2000円ほどのマックを騙し取られたらしい。
犯人はどういう人なんでしょうね。生活によほど困っているのか、それとも愉快犯なのか。マックの制服は着ていなかったそうです。え?だったら騙されるかって?でも、「ちょうどバイトが上がるところだったんです」と言われたら、あなたは騙されない自信ありますか?
少年は家に帰って、なぜ手ぶらなのかいきさつを話した。家族はみんな笑い飛ばしたそうだ。しかし、少年は深く心を傷つけたらしい。
今の話、よく考えたら「振り込め」詐欺じゃないですね。みなさん、騙されないように、誰かを傷つけないように「気」をつけましょう。てなことで、また明日。
1338 | 2004.12.18 | 訂正 |
1337 | 2004.12.18 | その日の朝に決めた! |
1336 | 2004.12.16 | 振り込め! |
1335 | 2004.12.15 | 気合だぁぁぁぁ! |
1334 | 2004.12.14 | あなたはそれでもソウル行きますか? |