リレーコラムについて

その日の朝に決めた!

本庄巧

本庄巧体験談シリーズ。最終回はお決まり?の、ちょっとマジメバージョンで。

新卒の就活でマスコミ全滅した僕は、唯一内定を取った某印刷会社の大阪支社で3年間営業をやっていました。印刷会社の営業はかなり大変でしたけど、仕事の面白みがなかったわけではありませんでした。でも、やっぱクリエイティブの仕事に挑戦してみたくなったんですね。その頃、痛感したのは「ああ、人生って1回きりなんだなあ」ってこと。大阪にいた僕は「マスコミはやっぱ東京やろ!」と思って(関西の広告が元気なのも知らずに)、Beingの関東版をリクルートに注文して毎週仕事を探していました。

未経験でコピーライターとして雇ってくれる会社なんて、なかなかないんですよー。おまけに勉強不足の僕は、宣伝会議とかの講座に通うなどの発想が浮かばなかったんですね。そんなある日、Beingを眺めていたら、強烈な求人広告が目に飛び込んできました。

「TCC狙う。ADC獲る。」というキャッチコピーで募集していたのは、リクルートの求人を募集する広告でした。TCC…。そういえば、なんか聞いたことあるなあ。へえ〜、リクルートで新人賞獲ってる人もいるのかあ。求人広告の制作者になるという選択肢もあるのかあ。未経験でいいのかあ。その代わり給料は安いし、アルバイトかあ。でも、俺が求めているのは金じゃないもんなあ。と、いろんな想いが頭をよぎりました。

やっぱすぐにはふんぎりつかなかったですね。とりあえず書類選考、みたいなのだとかえって迷わなかったのかもしれないんですけど。「会社説明会&選考会」に来いってなっていたんですね。ウリは予約が不要ってこと。うーむ。予約が不要だから、ますます悩むんだけど…。

会社説明会のある日がやってきました。僕はいつもどおりの時間に起きて、いつものとおりに通勤します。決断を鈍らせるのは、説明会の場所が東京ってこと。高い交通費を払って、はたして得があるのかどうか。ええーい、もういいやー!ナンバの駅で「体調悪い」と会社に電話し、飛び乗った新幹線で得意先に「今日はそちらに行けなくなりました」と連絡する僕がいました。

その日は、僕の人生に何度か訪れたであろう選択肢の中で、最も重要な岐路となりました。リクルートには無事入社できて、リクルートでの仕事で新人賞をいただけました。ちなみに「TCC狙う〜」の求人広告で入社したのは、先週の大澤君もそうです。なーんて言うと、カッコいいですけど、このコラムは学生さんやコピーライターを目指す人が多く見ているとのことだったので、ちょっと語ってみました。あ。新卒で電通さんとかに入るのが一番いいと思いますけど。

結論。人生はタイミングってことで。一週間ありがとうございました。来週はビーコン コミュニケーションズの大賀郁子さんです。大賀ちゃんはとっても小柄な女性。I&S BBDOの中途同期なのですが、初めて会った日も「身長は1.6ヤードです!」と自己紹介していました。うーん、外資っぽいなあ。

TCC会員は約700人。一年が50週だから、次にリレーコラムが回ってくるのはおそらく12年後。その頃またお目にかかりましょう。てなわけで、12年後。

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