美しき、灰色
竹之内葉子
昨日は、「片頭痛との終わりなき戦い」という、痛みに耐えて、ああ、よく生きてきたかも・・・
という話のご紹介でしたが、今日はちょびっとだけマジメに。
正月、実家に戻ったときの話。
親が読め、読め!というので、読んだ二冊の本があります。
本の題名は、たしか、「ほっとする禅語」。
禅の言葉が、1ページごとに書いてあって、その教えの解説が添えられているというもの。
えー、禅とか言われてもよくわからないよ、そんな高貴な生き方なんてしてないし、
生活態度とか、いいかげんだし・・・とぶつぶつ言いながらも、ページをめくってみると、
これが、意外とおもしろい。つい、ふむふむと引き込まれてしまいました。というか、痛い言葉が多かった。
時期も時期で年末だったので、結局、自分を振り返り、振り返り反省していくはめになったわけなんですが。一枚一枚めくるごとに。めくるごとに。(親の狙いは、これだったわけでしょう)
胸に刻まれた言葉はいくつかあります。が、そのときに、とくに印象に残ったものを、
せっかくなので、ここでひとつご紹介。
「善をも思わず、悪をも思わず」
どういう意味かというと、人間は、なんでも、いいか悪いか決めたがる。なんで、そんなに決めたがるのよ。ということらしいです。ちっぽけな私には、大きすぎ〜る話ですが、宇宙の方向に、上下も左右もなく、善も悪もない・・・と。要するに、さまざまな物事を、対立させて見ていると、「どっちがどっちで、どっちはどっちだ?」迷いに惑わされて、高い次元から物事を見れなくなりますよ、見誤りますよ!!!ということなんだそうです。
イラク戦争にしても、世界で起こっているいろんな紛争も、これに当てはめてみるとなるほど興味深い。
ブッシュ大統領は、若い頃アル中で、そこから更生しようと30代のころ再洗礼を受け、
そのときに、キリスト教の教えの影響で、善か悪か二元論に目覚めたと、あるテレビ番組で見ました。
彼が、万が一、どこかで禅の教えの影響を受けていたら、世界の行く末は、かなり変わっていたんじゃなかろうかと、その影響力の大きさを思うと、読みながら感慨深く・・・。
善か悪か、敵か味方か。白か黒か。
白でも黒でもない、その間に広大にグラデーションとなって広がる美しき灰色の存在を
いま、ちゃんと認識した方がいいかもしれないなと、争いごとの多い世の中で思うことでした。
では、また明日。
「
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