リレーコラムについて

コピーライターになれない僕。

前野岳允

友だちに、ずっと内緒にしていることがあります。
昔からつきあいのある連中にも言ったことがありません。
なんとなく言うタイミングを逃したまま、
今日まで来てしまったのです。

それは、自分がコピーライターだということ。
もちろん隠す必要はまったくないし、
特別に意識することでもないのだけれど、
なんとなく言えないんです、これが。
言い出そうとすると、ドキドキしてしまうんです。
分かってくれるひと、いますかねえ。

理由を聞かれても困るんですが、
ひとことで言うなら「恥ずかしい・・・」
ということになるでしょうか。
いいトシしてアホなこと言って、
それこそ恥ずかしいんですけど、
ほんとのことなんで仕方ありません。

僕が中学生の頃に、
いわゆるコピーライターブームってやつがありまして、
なんかこう、微妙にカッコイイというか、
セーターを肩にかける系の職業として
インプットされてしまったんですね。
僕にとってはキャラちがいの職種だったわけです。

新人賞をもらったときこそ告白のチャンス!
なんて考えていたこともあったんですけど、
いざもらってみると、やっぱり言えなかったなぁ。

で、友だちの間で、
僕がどんな仕事をしていることになっているかというと、
広告会社の総務部に勤めていることになってます。
人間って、現実とあんまりかけ離れたウソをつけないものなんですよ。
僕のようなずぼらな酒飲みが、総務なんてできるわけないのに。

総務部からコピーライターへ。
華々しく転職する日は、はたしてやってくるのだろうか。

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みなさん、はじめまして。
木村さんからバトンを渡された前野岳允です。
総務じゃなく、コピー書いてます。念のため。
くだらない話でごましかながら、
なんとか1週間を乗り切ろうと思ってます。
本当にヒマなときだけ、おつき合いください。

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