第3走者の悲しみ
「第3走者の悲しみ」って、こんどは何の話しだって感じですけれど、一応コピーライターの話しです。
で、きょうテーマにしたいのは、「コピーライターという職業ははたしてもてるのか?」「とくにタレントとかモデルとか、そういう人にもてたりするのか?」という、一般のかたがこの職業についてしばしば抱くであろう疑問というか興味というか幻想についてなのですが・・・まあ、これは実際コピーライターやってる人ならほぼ全員が即答すると思います。「ぜんぜんもてない」と。
だってね、コピーライターって、タレントの人がいるいわゆる「撮影現場」でかっこわるいですもん。何もやることがない。基本的にことのなりゆきをぼーっと見てるだけ。
その点、カメラマンとか演出家はね、もう、現場でばりばりにかっこいいですよー。この仕事を仕切っているのはこの偉いひとだということが、誰の目にも(もちろんタレントさんにも)よくわかる。
あの、コピーライターの働き場所って、基本的に撮影現場にいたる前のところにありまして、原稿用紙をあいてに悩んだり、会議で発言したり、得意先相手にプレゼンテーションしたりじゃないですか。そういう場面では、ぼくだってごくたまーにかっこいいことはある(と思いたい)。でも、撮影現場においては、ぼくはリレーで走りおわってアンカーの走りをひざを抱えながら見ている第3走者なわけですからね。これ、まったくパッとしないです。
しかも、なお悪いことにタレントさんとかは、仕事というものがリレーであることすら基本的に理解してないですから。いまこの現場だけの100メートル競走だと思ってるわけだからなあ。そういう人の目でみると、コピーライターって、第3走者どころか、「その場に不要な人」ですよね。
まあ、ただタレントとかがそう思っているのはしょうがないんですが、ときどき悲しくなるのは照明さんとかヘアメークさんとかのスタッフまでが「なんだこいつ仕事もしないで」というつめたい目でわたしをみること・・・。
って、あれ、こんなに暗いはなしをするつもりじゃなかったのに、深夜のいきおいのせいか、どつぼにはまってしまいましたね。
タレントのみなさーん、もし万一これを読んでいたら、こんど撮影現場でコピーライターに優しくしてあげてくださーい。たしかに僕たちは現場では弁当をたべてるだけですが、あなたにふさわしいアイデアを100個も200個も、こんな時間までかんがえてまーす。
あ、ちょっと恩着せがましいですか?
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