リレーコラムについて

6月30日

松田正志

【コラム】

Just the way you are

コピーライターとして就職する前、
私はディスカウントストアで
1年ほどバイトをしていました。
いわゆるフリーターです。

そこでは電化製品を中心に衣料、日用品、雑貨など
あらゆるものが「エブリデイロープライス」の
スローガンのもとに激安で売られていました。
お店での私の仕事は
レジを打ったり、倉庫を整理したり、
店内の清掃したりと多岐にわたります。

いろんな仕事の中で印象深いのが「POP書き」。
商品名と訴求ポイントを書いて
価格シールを貼ってできあがり。
そのころ私はコピー講座に通っていたこともあって、
「訴求ポイントを書く」というところに
毎回気合いを入れて取り組んでいました。
「まっちゃん、コピーの勉強してるなら
 いいPOPつくってよ」と社員におだてられ、
講座で習ったテクを使って凝った売り文句を作ったものです。
「フフ、この店のPOP書きは俺がいちばん上手いぜ」と
なんだかよくわからない自信もありました。

しかし、そんな自信を打ち砕かれるPOPを
パートのおばちゃんにつくられてしまうのです。
ブツは海水浴シーズンに合わせた「水中メガネ」。
おばちゃんがつくったPOPにはぶっきらぼうに

「目を守る」

と書いてありました。
こうやって書くとあんまり面白くありませんが、
この「目を守るPOP」は社員の間でも
バイトの間でも面白いと話題になり
私はなんだかものすごい敗北感を味わいました。
「なんよ目を守るって!まんまやん!
 ぐやじーーーーーーーーーーー!」
とか心の中でわめいてみてもしょせん負け犬。
奇をてらわない素直な発想が
いかに人の心をつかむかを思い知りました。

そこで、コピーライターの世界。
コピーのテクニックやフォームを
意識しすぎていないだろうか?
自分の素直な気持ちを忘れてはいないだろうか?
商品からまっすぐ生まれた、人の心にスーッと入っていくコピー。
これがなかなか難しいんですよね〜!

【このCM、なんか好きだ!】

「♪クルッ クルッ クレラップ」
愛してます。あの世界の住人に憧れます。
いま外人の子供も登場してますます好きです。
ウチで使ってるラップが
「マイラップ」みたいなバッタもんだったら
とても悲しくなります。
これがブランド力というやつでしょうか。

【「憤り」に怒りの鉄槌】

最近、公式なコメントなどで「憤り」という
言葉を使う人が増えてませんか?
実生活で「ああ、憤りを感じる〜!」って
本能的に思う人は少ないのではないでしょうか。
なにかに対して怒るということは
別にいいと思うんですが、
その際の表現がおしなべて「憤りを感じる」
というのはいかがなものか。
もっと「怒ってます」とか「腹が立った」とか
「プンプン!」とかあるのにねえ。
そのほうが公式コメントとはいえ
よーく伝わるんではないかと思いますねえ。

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