リレーコラムについて

こんなコピーライターもいるんだなあ、名古屋に。

尾崎敬久

こんなコピーライターもいるんだなあ、名古屋に。
それは僕のことです。

29歳のあのころ、
僕は大広で働いていました。約10年ぶりの正社員でした。

大広に入れたのも、縁といえば縁なのですが、
リクルート時代に通っていた宣伝会議コピーライター養成講座の
講師の1人が大広の制作局長で、
その方と知り合えたのがキッカケとなり、
採用試験を受ける話まで進んでいきました。
ちょっとした出会いが、人生を大きく変えるんですね。

僕は求人広告のコピーを専門に書いてきた人間なので、
商品広告や企業広告のコピーは未経験。
テレビCMやラジオCMの制作も未経験。
楽しくてツライ、またしても新しい壁を越えるための
毎日がはじまりました。

そんな中で実感したこと。
目的やメディアによって方法論や技術論は変わっても、
「気持ちとコミュニケーション」という点は、
どんな広告でも同じなんだなあ、ってこと。

広告って結局、
「誰に、何を、どういうか」で構成されているわけだから、
そういう原点の話でいうと、
求人広告も商品広告も変わらないんですね。

大広で仕事の幅を広げていくなかで、
TCC年鑑に作品が載ったり
CCN(コピーライターズクラブ名古屋)の賞を獲ったりするうちに、
いろんな知り合いが増えました。

その中の1人に電通のアートディレクターがいて、
彼は業界にありがちな「見た目あやしいけど、いい人」で、
僕にこんなことを言いました。

「尾崎くんも電通に来ればいいじゃん」

来ればいいじゃん、っていわれて、
じゃあそうします、ってほど簡単な話じゃないだろ。

なのに、そのひと言がキッカケで、
僕は電通を受ける気持ちになっていくんです。
前にも書きましたが、人間なんて、勝手なもんで、単純です。

妻と相談のうえ自分から電通に応募の意志を伝え、
紆余曲折があり、
なんとか内定をいただけたのが今年の2月。
僕は、またまた新しい扉を開けることになりました。

・・・・・・・・・・

35歳のいま、
僕は電通でこのコラムを書いています。
仕事は厳しいです。
仲間は自分よりデキル奴ばかりです。
どちらも承知の上で来ました。
そういう環境があるからこそ、
僕はまだまだ成長できる、と本気で思っているので。
こんなコピーライターもいるんです、名古屋に。

実に個人的な、僕自身の学歴や転職歴の話も
今回が最終回です。
記憶の引き出しを開けながら書いていたら、
気持ちも蘇ってきました。
ほとんどが悔しい気持ちです。
またがんばれそうです。
ありがとうございました。

来週は、電通中部支社の愛すべきクリエーティブ・ボス、
鎮目彰夫さんの登場です。
勇気を振り絞って上司にお願いしてみました。
すんなりOKをいただけました。やさしい上司なのです。
TCC歴30年の大御所はどんな話をしてくれるのでしょうか。
ご期待ください。

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